よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

集合教育について

 医療環境が厳しくなればなるほど、教育が必要となります。
 ある病院で、教育体系について議論しているとき、集合教育に話が進みました。
 以下について、説明しています。

集合教育は、
①各部署で必要な教育を集合教育で実施する
②病院として必要な教育を集合教育で実施する
 ⅰ)内部で実施
 ⅱ)外部で実施
というアプローチがあります。

これらがバラバラに行われるのではなく、全体として整理されて管理される必要があります。
 
まずは、各部署で実施する集合教育のスケジュールを集め、それを全職場に開示することが必要です。そのことによって、他の部署の集合教育に対し、さまざまな部署が自身に関連するもの、あるいは関連しなくとも他部署を理解する必要から、他の部署の集合教育に参加することができる環境をつくります。

また、職場内教育で教育しているスタッフに、この部分については集合教育において、職場内教育で足りない部分を補完することになります。
 
内部でできないことは外部にいって情報を得ていく必要があります。しかし、外部での集合教育はどうしても概念的な一般論的な話になりますので、リアリティが聴講生の頭なかでつくりあげられる以外に集合教育を活かすことはできません。

すなわち、これは自院ではどうなのか、というように聴講生が考えながら話を聞くということですから、どうしても直接院内で状況に合わせた話を聞いたり質問したり考えたりすることとは、実質的な成果を考える部分では乖離が生まれると考えられています。

知識を得るための外部の集合教育はよいとしても、院内で発生している問題解決をダイレクトに行うためには、院内で集合教育を行うことのほうが効果があがるという根拠です。
できるだけ院内での集合教育をベースに行うことが必要です。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」