よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

高齢者専用賃貸住宅の時代がもうすぐそこにきています

 先日、福岡でM不動産とH社の共催で行われた高齢者専用賃貸住宅の後援会でお話をさせていただきました。博多座は博多の街にしっかりと立っていて、とても重厚な雰囲気をもった建物でした。後援会は、私とG社の経営幹部が高齢者専用賃貸住宅について話しました。

 建設業者7割、医療機関2割、そして地主1割の構成で、110人以上の方々が話を聞いていただきましたが、やはり、自分でお話をしながら、厚労省は大変な選択を迫られていると改めて、感じました。

 医療も介護も八方塞がりの感があり、複合的な価値構築を行うために、高齢者専用賃貸住宅は有効であるということが私たちの望みをつないでいます。

 経済が疲弊するなか、国民所得は減少し、経済的な負担が増える支出を抑えています。後期高齢者医療はなんとか国民に理解を求めなければなりませんが、明らかに政策に瑕疵がある。ひとつひとつの建てつけは正論に基づいて行われているものの、医療と介護の役割分担や、受け入れのための体制整備が終わらないまま、制度改革が進んでいます。

 DRGの導入がまことしやかに噂されるなかで急性期病院は行き場をなくしつつあります。そして療養病床についても2011年末までに結論をださなければなりません。介護事業者もとても疲れています。これからの医療、そして介護、医療と介護はどこにながれていくのか?もっと多くの視点から検討を行い、トータルでの解決策を決定していかなければ、これからの医療介護の世界に未来はありません。

 税金や社会保障費の応分の負担、そして弱者に対する支援策、医療介護の埒外にある高齢者の生きがいのあるモデルづくり。人生最後まで生きて生きて生き抜くことができる意欲と夢を、そして治療と健康を、どのように提供していくのか。
厚労省だけではなく、多くの省庁が協力し合って英知を出し、哲学をもった革命を誰がしていくのか…。

 国民一人一人が懸命に、しかし、落着きをもって、そのときを生き抜くことができるよう、あらゆる仕組みをつくりあげていくのは、国ではなく、個々の組織である。個々のスタッフである、個々人の創造と工夫であることを、皆が理解しなければならないと私は思います。

 もう誰も助けてくれません。寝食をときには忘れたとしても、歩くことをやめず、必至になって、自己改革と属する組織の改革を進めていこうではありませんか。