よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

業務改革と増患(4)

4.増患対策
 増患は病院の全体的評価により実施されることになりますが、具体的には各診療科ベースでの外来、入院での増患がマネジメントされます。個々の場面で患者さんに評価されるための活動が行われる必要があります。医療の質の結果として評価が定着し、ブランドが確立されたのち、安心、信頼、信用が担保されることになり、そして増患します。
 
増患は勿論、地域連携や地域支援協議会といったダイレクトな連携をとることでの増患があります。そして、直接的な診療科別戦略によるワントゥワンでの増患と、そしてこのように質があがり、評判が高くなることでの増患といったものに区分されることになります。
 増患対策は、結局は日常活動の結果であり、日々の活動が直接影響するものであることを理解しなければなりません。

5.増患のための委員会
 結局はすべての活動を行うことで、質を向上させ増患するということでの委員会関与と地域連携による増患関与があります。委員会活動の帰結が増患につながるものであるということを皆が認識すれば、遠いようではありますが、委員会活動を連続的に実施することが必要になるのです。

6.まとめ
 業務改革と増患について、再度理解をするとともに、具体的な活動に結び付けていく必要があります。日々のクレームやインシデントやアクシデント対策など、日々の気付きのなかに業務改革があり、また日々の自然な活動のなかに増患があるということになります。

個々の具体的な活動を支援するための思考方法や行動様式、問題解決手法について全職員に対し、今以上に教育していく必要があるかもしれません。中間管理職の教育や、個々の職員への教育として、詳細なカリキュラムをつくることが適当です。
 
マネジメント手法についての理解を増すためにも徹底した教育を行い、一人ひとりがその都度問題を、その場で解決することができる状況をつくりあげていくことが求められています。

 今後は、業務改革と増患をベースに括り直し、活動を行うためのプログラムをつくりあげることになります。問題を山積みし、それぞれを整理したうえで、体系的に解決するための方法を議論することが必要です。

全職場、全組織からの情報収集を行いながら、業務改革のながれをつくり、一つひとつを解決していかなければ、時代を乗越えることはできません。増患についてもその結果である、というながれをつくりあげていかなければなりません。


「ドクターとレジャーボックス同時掲載記事」