よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療相談及び地域連携の現状(4)

3.まとめ   
この病院はどのような病院を目指すのかを概念ではなく、具体的に決定していくために現状調査をしなければなりません。

現状の紹介・逆紹介患者の実態を調査することで、自院ではどのような患者をみていて、どのような患者をみていないのかが分かります。

自院でできるのに紹介している疾患はないかかどうかを把握し、自院でできるのに治療をしていない疾患があれば、医師とミーティングして、やるかやらないかを決めていくことになります。
   
さまざまな要因により、入院させられない手術できないということがあるとして、医師とミーティングをしていくためのデータをつくることが必要です。

そのためには、
①手術記録等の調査(どの医師がどの手術に入ったのか=診療情報管理室)

②検査種別の調査(どの医師がどの検査を行っていているのか)

③紹介率のデータ(どれだけの紹介率であるのか=SW)

④情報提供書件数(どれだけ逆紹介しているのか=医事)

⑤病棟別の利用率の把握(現状は科別のベッド数は決定していない=医事課)

⑥部門別損益計算による病棟や診療科別の損益計算を行う
  
⑦診療科別の初診患者及び新患数
例:(1200人〔660人〕/10080人)

⑧入院の履歴(紹介で入院、外来から入院)

⑨診療科別の手術件数(=医事)

⑩紹介を断る件数の把握(=SW)
ことになります。

なお、平均在院日数をクリヤーしながらも、在院日数を調整することで、収益をあえることも視野に入れる必要があります。

病棟での退院支援計画立案の方法やプロセスを明かにするとともに、介護領域での活躍をも期待して、SWと病棟との関係を明確にしていきます。
①短縮するとすればどこまで短縮することができるのか

②また延長すればどこまで延長することができるのか

③ベッドの稼働状況はどのようになっていて、どれだけの患者さんを受け入れることができるのか
を決定してくことになります。

いずれにしても、増患と単価アップを行うために、自院で戦略を決定し、政策を打ち出すとともに、地域との連携を強化していく必要があります。新患率や紹介率を工場させることにより、入院患者や手術対象患者数を増加させ、病院が存続発展できるよう対処していきます。




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