よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

院長に対して行われるブリーフィング(短期の報告)について(2)

ある病院は、君たちが数字を出さないから行動できない、と副院長が事務方に苦言を呈していた情景や、ある病院で副院長や診療部長が当社が作成しあ部門別損益計算の結果をプロジェクターでみながら
なるほど、こうすればこうなって、こうなるのか…と瞬時に理解して、先生方で話をし始めた事実。

 そして医局会で同じように部門別損益計算をみながら、なんだよ俺の科はなほうがいいのか、と呟いた泌尿器の部長に、いや直接利益はでているで、そんなことはありません。それから固定費の回収を一部しているので、なくてはならない存在です。 
 先生のところが診療をやめたとしても、誰かが当該固定費を負担しなければならないのですから…。

 と説明したところ、満面の笑顔を浮かべ、ではもっと直接利益を増加させるために何をすればよいのか考えようと、とても前向きに検討をはじめてもらったときのことが思い浮かびます。

 先生に対してきちっと説明することできていないために、やる気をなくす先生がたくさんいらっしゃいます。ブリーフィンブはそうした機会をもつためにとても重要なシステムです。

 医師はよい職場環境があれば、力を発揮することができます。それを阻害しているのは、院長であり、他の医師であり、事務長であり、文化であり、風土であり、病院の医療に対する姿勢です。


 医師を経営に参画(=何も細かい経営をして欲しいというのではなく、自分が中心である、自分がやらなければ誰がやるるかという気持ちをもって診療活動を行うこと)してもらうための環境整備をしていかなければ、いくら医師を採用しても、結局は退職してしまうということにそろそろ病院は気がつかなければなりません。

 院長の全人格的な活動で医師をある一定の方向に誘導していくこともいいでしょう。

 しかし、それは院長の人柄だったり、持って生れた性格や才能だったり、大きさだったりにより、得られる成果です。ではその院長がいなくなったらどなのか…。そうではなく、それもとても病院経営には重要な要素ではあるとみとめつつ、システム、方法、環境、場をつくることもとても重要だということを理解しなければならないのです。
 
 ブリーフィングの方法について、今後、いろいろな場で報告をしていく機会があればよいと考えています。



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