きれいなものへの憧憬
林 芙美子（はやし ふみこ）の文章だといわれています。花をみると、ときどきこのフレーズを思い出します。
しかし、花は本当にきれいに人の心を和ませてくれます。不思議なものですね。光り輝くものが短命であることがまれにありますが、才能のある人がながく人々に道を示してくれるということもあり、花の命が必ず短いとは限らないのではないかと思ったりもします。
いずれにしても、きれなものはきれいです。その美しさに触れると心から安らかな気持ちになるのはなぜでしょうか。人間が求めているものは、美しい自然であったり緑であったり、花であったりすることは
明らかです。もともと争いや喧騒のなかで生きることに、人は長けていないのかもしれません。
花は自分がたとえ苦しいとしても、思いをもち力をつけて、自らの価値を高め、そして美しく咲き、他に幸せを与えるものである、いや与えなければならないものである。
そんな自分に課した大きな覚悟を、林芙美子は、この句を通じて伝えたかったのかもしれない…とふと思ったりしたのでした。人間の生き方はきっとそんなものであるのかもしれません。
この花は松山のホテルのロビーに咲いていたものです。
