よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

心の手すりをとりはずす

イメージ 1

 人は常識的に動くものであるという性善説に立てば、厳格なルールがないほうがことはうまく進むということに気がつきます。

 人はあまりにも厳格なルールがあると、それを忠実に守ろうとするために、全体からみると不効率や生産性が落ちることがあるという考えです。

 駅の改札にあがる階段の真ん中にある手すりが撤去されました。それまでは下がるときには左、上るときには右というルールがあったため、時間によっては人のながれが制約を受け、片方はとてもすきすきなのに、片方は窮屈で人が流れにくく時間がかるという状態が続いていました。

 いまは降りる人は両サイドから降り、心持あがってくる人がいると少し左にそれるというかたちでながれができるようになり、また逆もあり、ということになりました。以前よりも早く人が上がり降りすることができるようになり、とりたててクレームや問題は起こっていないようです。

 高齢者は両サイドに手すりがあり、手すりを頼りにゆっくり上がり降りすることができます。

 階段の真ん中に手すりがあるため、きっちりと上がり降りすることを止め、自分たちの主体性によって
どのあたりを降りるのかを決め行動する。常識的に判断し、原則を理解してしかし柔軟に行動する。

 私たちは知らず知らずの間に、さまざまな規制を受け、そのなかでしか行動できなくなっているのではないかと思います。障害を取り除き、しかし原則ははずさず、少し自由になる。そのことでいままでできなかったことができるようになったり、自分のなかでの生産性があがるということが想定されます。

 心の手すりをとることから、私は、はじめていこうと思いました…。