ラーメンは、久しぶりにこんなにおいしいラーメンを食べた、という感じでした。これで確か780円であったと思います。その横にあるトンとろ丼は250円でしたが、これも逸品でした。
ラーメンは「みそ」をいただきましたが(ここからは料理番組系のコメントをすることにします)、味噌と麺が融和していて、一体となり口のなかで新しい価値をつくりだしていましたし、チャーシューはチャーシューに生まれたことを強く主張したと思ったら、私の口のなかでいっきに降伏の白旗をあげ、身も心もささげますという意思でとけてしまうほどでした。
また、つぶしたニンニクをうかべたスープは、スープそのものでも一品の料理として料亭にデビューしても恥ずかしくないような「いでたち」で、私の舌のうえでとてもうまく踊りました。
色添えをした半熟タマゴは、まけじと口に入れたとたんに、なかにのこる仲間たちと再会をするまもなく、とろみとともに形を消滅させ、おいしいという命令を舌から脳に伝える使者となりました。
そしてそして、さきほどのトンとろ系のぶつぎりのお肉はジューシーで、ご飯のうえにまぶされた少し甘めのたれといっしょに、も~ぉ、どうにでもしてぇ~、というように体を投げ出していました。
チャーシューの親戚でもある角切りトンとろといわれる角切りチャーシューが、口のなかでつくりだすゴロっという粘膜への感触は、チャーシューと同じような性格をもっていて、あっという間においしく姿を消しましたが、さすがこの一族は洗練されているという思いでいっぱいでした。
やっぱり、甘いたれが乗ったごはんはぜんぶ食べることができず残してしまいましたが、至福のときをすごさせていただいた次第です。
普段はラーメンをいただくときには、どうしても仕事柄、好ましくないと思いつつ「えっと、麺は30円、スープは20円、しかし出しをとるためのガラも含む、っと。で、チャーシューは調理のコストも入れて1枚20円程度で、一日100杯でたとして、一日の家賃は、この場所だと1万5千円で、っといいうことは150円か…。機械のリースはいくらかな…。人件費は常時3人いるということは、2人はアルバイトだから時給900円で、そうそう消耗品が…っと」いつも原価計算をしながらいただくのですが、今回はとても美味しくて、邪念をもたず本当に集中していただくことができました。
函館駅から市場に歩いてきて右側の食堂がたくさんある建物の入り口を入ってすぐ右のラーメンやさんです。次にも機会があればいきたいと思います…。
ごちそ~さまでした。