DPCでは、DPC病院の特徴をだせと教えています。たとえばすべての病院がそれぞれ不効率で非生産的な医療を行っているとして、それら個々に本当に得意な治療を行わせ、それ以外は当該治療が得意な病院にシフトする。そのことにより、医療における成果の総和は減らず、かつコストは低い。
病院は高機能なDPC病院と、それを取り巻く回復期や亜急性、そして少しの医療療養病床とするという考え方が医療にながれている。
理論的にはそうではあるが、近隣にある質がそれほど高くはないが、いつでも一定のレベルで治療ができる病院がなくなったとき、地域住民は時間をかけて医療を受けなければならず、そのことによる効用を低めてしまう。
どこまでを減らすベッドの対象としているのかについては明瞭な説明がなされていないけれども、国がDPCで考えることと現実に病院がどう動くのか、患者がどう支援するのかを考えると先行きは混とんとしている。
京都の駅前には、誰もが知っている京都ホテルのタワーが目立つ。これはまるで京都の街を照らすように凛として存在する。あるときはリーダーとして、あるときは街を抱擁するように…。京都といえば京都タワーをまず思い出すのである。
では、DPCのメルクマールはいったいなんであるのか。
誤解を招くことを恐れずにいえば、日本全体どうなるかよりも、まずは自院が利益を出して残ることが必要である。個々の病院は病院を存続させるために適正利益を出していかなければならない。適正利益=患者さんからの評価であると理解すれば、病院は医療の質をあげ、適正利益を予定通りだすよう、活動しなければならないのである。
現場マネジメントのメルクマールは、適性利益です。適正利益こそがDPCのメルクマールである。国の政策がどうであれ、自院は増患により残る。
これがこれからのキーワードとして病院経営の根幹に置かれる必要がある。適正利益をあげるなかで自らを鍛え、成果をあげていくことは可能である。なぜならば、医療の質を向上させなければ生産性は向上せず、生産性が向上しなければ利益はでないと理解しているからである。
DPCは医療原点回帰のシステムであると言い続けている、同時に適正利益を出すことで残ることも必要なことを、医師を中心とした全職員が知らなければならない…。
どの病院も方針や戦略のなかに京都タワーを置く。そのことにより存在意義をそれがこれからのテーマとなる。