8.コスト削減のプロセス
事務部門が単独で固定費のコスト削減
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全職員へのコスト削減に対する取り組み説明
BSC・目標管理化
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業務改革及び業務改善システムの導入による変動費率低減
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マニュアル・パス・リスク・教育(四位一体)の強化
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部門別損益計算導入※
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管理会計による診療科別損益の把握によるすべてのコスト絶対額削減の帰結
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業務改革の一層の成果確保
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単位当たりコスト削減の成果獲得
※部門別損益計算導入には最低3~6カ月の期間を必要とする
9.まとめ
コスト削減は、病院経営改革そのものである。もちろん、医療収益を向上させることにより利益拡大及びキャッシュフロー確保を行うものであり、コスト削減だけが優先先行することはない。目的に合った行動をとることで、コストも削減されるが、併せて患者が増患し、医業収益が向上することで利益が確保できるという流れをつくりだすことが必要となる。
高い医療の質はコストを削減する。この考え方を徹底的に全職員が意識して医療にまい進することが患者さんを集め、収益を向上させコストを削減する。そして利益を確保することができるということについて理解する必要がある。
なお、DPC病院であれば、ホスピタルフィーのなかでのコスト削減は別の意味をもつ。
①持参薬管理
②他科受診禁止
③術前検査の外来化
④予定入院・緊急入院比率の管理
⑤抗生剤の見直し
といったこと等がコストマネジメントの一部となる。
ということでした。5回シリーズでしたが、いかがでしたでしょうか。
コスト削減のもっとも重要なことは、生産性を向上させ単位当たりコストを継続的に引き下げていくことである、ということについて徹底的に理解していくことが必要です。そのための具体的な活動はとりもなおさず、医療の質を向上させるものであり、医療そのものを進化させることでもあるということについて十分な理解をしなければなりません。