よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

目標管理について(2)

「(2)難易度設定
 難易度の設定は、客観的な判断が必要です。客観的な判断がなければ、普遍的かつ公平公正な対応ができないからです。

 とりわけ上司が感覚で難易度を決定するといったことであれば、上司の能力に難易度が左右されることになり、組織全体の整合性がとれません。

 病院全体でのすり合わせが必要です。

 そのためには、まず、各部署が個人別の課題を収集したのち、組織全体、すくなくとも同一部署で多数のチームがある、看護部などは各病棟のそれらを収集し、全体のレベルを合せるなかで統一的な判断を行わなければなりません。


 難易度は、例えば通常の努力をすれば達成できる1。かなりの努力をしなければ達成できない1.25。

 現状のままで達成できる0.75。容易に達成できる0.5~0.25といったレベルでの設定が必要となります(中略)。

(3)評価方法
 面談時にこれらを提示し、目標数を決定し(通常は5)、それぞれについて難易度を決定したうえで、全体の評価を行います。難易度に対し、最終的には達成度を乗じ、全体としての評価を決定することになります…」

 
 その他、まだまだ実際にはいつくかの作業を行うことになります。
   
 厳しい環境下において、病院が勝ち残るためには、個人の技術技能をどう高めていくのかを重視する必要があり、目標管理制度の導入は必須です。

 残る病院と残らない病院が峻別されるなか、合目的に一人ひとりが目標をもって、的確な行動をとれる組織とそうではない組織のアウトプットに差がでるのは明らかです。

 なお、目標管理制度はあくまでも組織目標を達成するためであり、教育における職務基準から週出される目標とは異なることを知る必要があります。