よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

メディカルホームの優位性(2)

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(3)メディカルホームでは、有料をも含めた個々の対応であり入居者が入居し続けることができない可能性があるため、丁寧にケアをせざるを得ない
 
 これは逆説的な論点ですが、実はメディカルホームは有料サービスが数多くあります。食事介助や散歩、あるいは新聞、配膳、あるいはそれ以外の見守りや個別の対応について有料サービスの対象となることが数多くあります。

 したがって「手を抜くと、手をかけなければならない」というロジックがあり、日常のサポートをないがしろにすると、結局はそれはメディカルホームの管理人の手をかけることになったり、業者の有料サービスを受けることになるという事実があります。

 これは利用者の負担を増加させることであり、利用者はメディカルホームや他の業者に支払う報酬がとても高くなりがちです。したがって、ある段階で、場合によっては賃料が延滞したり回収に時間がかかる、あるいは、退去せざるを得ないといった状況になります。

 それではメディカルホームは成り立たず、結局は事業もうまくいかないし、利用者に医療・介護サービスを提供することができません。したがって、常日頃からきちっとした管理をしようというメンタリティが生まれ、質を高く行使するという結果を得ることができるのです。


(4)管理人が、第三者として個々の在宅のオーディットをすることで、質が担保される

 個別の住宅では、医療にしても看護にしても、そして介護にしても、本人がよしあしを判断する。あるいはご家族が判断するといったことになります。
 ブラックボックスといわれる所以です。しかし、メディカルホームには管理人がいて、彼らが個々の住宅への医療や看護、そして介護の質を常にウォッチすることができます。

 「先生が~とおっしゃったときに、患者さんの顔が少しゆがんでいました」とか、患者さん(入居者)への聞き取りを行い、看護師さんの対応に「先日の対応に、患者さんからクレームがでていました」等の説明をすることになります。

 また、ケアプラン通りの対応ができているのかについてもチェックを入れ、PDCAでの対応ができているかどうかについての評価を行うことなどが、管理人の仕事になります。

 管理人は、したがって一定の知識をもった、あるいは資格をもったものにより業務を実行することとなります。
 
 地域型メディカルホームは、主に維持期の患者さんが入居することになりますので、介護療養病床や医療療養病床で医療区分が1及び2の一部の患者さんが対象となることが多いと想定されます。

 なお、ココチケアでは老健の利用者や有料老人ホームの利用者が、団体行動は嫌だということで入居されるケースもあり、介護度の低い医療依存度の軽微な患者さんの入居もあることをお伝えします(続く)。

 写真はココチケア2号店のディスプレイです。