よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

浅野歯科産業デンタルフェアとエニアスミーティング

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 今日日曜日は、金沢に出張した。いつものように新聞配達の少年?のように暗い朝を潜り抜け、8時過ぎには、明るい小松空港に到着しました。

 最近の大雪のイメージがあった私は、あまりの温かさに超冬用のコート、にマフラーそしてユニクロ・ヒートテックバージョンで空港に降り立ち、おもいっきり後悔したのでした。

 しかし、青空のなか、金沢駅行きのバスが風を切るころには、懐かしい風景が後ろに走り去るのを楽しめる余裕ができてきました。とはいうものの、まだ午後からの講演会の資料が一部完成しておらず、たくさんの資料に目を通し、不足している部分をどのように説明しようかと頭を悩ませていたのでした。

 ほんの少しの時間の後に、バスのアナウンスがあと少しで目的地に到着することを知らせています。ほぼノンストップで30分程度のバス小旅行は終了です。

 バスのステップを降り立つと、エニアスの川野社長が、笑顔で私の前に立っていました。近くのホテルで、浅野歯科産業の展示会での私の講演会までミーティングをする約束で、待ち合わせをしていたのです。

 ホテルのラウンジで珈琲を飲みながら、DPC分析ソフトの開発も完成間近であり、また原価計算ソフトの手直しも進んでいること。分析ソフトとセットにする患者別疾病別原価計算ソフト開発・販売についての意見交換をしました。

 ホテル内では結婚式が行われており、バージンロードを親娘で歩くほほえましい姿を横目でみつつ、私たちは、日本の医療に業務改革のための部門別損益計算が不可欠であること、そしてDPC病院には戦略立案のための患者別疾病別原価計算が必要であることをしっかりと確認し合いました。

 そもそもホワイトボックス社では、既に10病院以上に部門別損益計算を導入しており、現在もDPC病院3つに同損益計算を導入していますが、精緻である代わりに導入まで時間がかかるという課題がありました。

 エニアス社の部門別損益計算は、簡易に導入ができ、導入したあと手直しをしていけばかなり早く結果を得ることができるため、連携をすることになった経緯があります。

 そんなこんなのうち、時間が来たので浅野歯科産業のデンタルフェア会場まで送ってもらい、フェア見学、そして浅野歯科産業の浅野社長や会長にご挨拶をしたのち、講演会の準備に入りました。ちなみに同じ金沢のJCで川野社長と浅野社長は後輩先輩の関係にあります。

 さて、講演会ですが今回は、歯科医師とスタッフ60名の方々に、ブランドな歯科医院の時代というテーマでした。歯科医院が勝ち残りのためには何をしなければならないのかというテーマで講演会を行いました。
①日本経済はまだまだ回復しない

②今のままで経営が進捗することはない。積極的な危機感が必要

③キャッシュフローをベースとしたマネジメントに徹底

④ビジョンを設定し、スタッフの教育に力を入れる

⑤そのためには、職務基準やマニュアル、チェックシート、評価システムなどさまざまなツールを利用

⑥ASCSやPDCAなどのマネジメントのフレームワークが必要

⑦本来の接遇により技術をプライドと優しさにかえよう

⑧全身疾患管理のために医科との連携により増患(歯科治療総合医療管理料の獲得を足がかりに、高齢者治療の困難性についての検討)

⑨外来と同様に健康、在宅といったマーケットに注目

⑩歯周病は生活習慣から起こることが多く健康管理マーケットも有望

⑪病院ベッドが削減されるなかでメディカルホームが増加、したがって口腔ケアをスタートとした訪問歯科は今後主流になる

⑫他と異なる特徴ある活動がなければ比較優位は担保できない
といった内容でした。

ドクターリンクステージというコミュニティをつくり、開業、中堅活性化、事業承継を診療所で進めるホワイトボックス社にとり、歯科との連携は数年前から試行錯誤してきた課題です。

 歯科と医科が、地域医療を機能分担して守るシステムを、必ずつくっていきますので期待して下さい、一緒に頑張りましょう、という大言壮語にも近い結びで講演会は幕を閉じました。

 アルプスの山々の清々している姿に感銘を受けながら、私は、少しの決意をもって、心安らかに小松空港をあとにしたのでした。