よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療機器とマネージメント(1)

先日、滋賀県のMEの勉強会で使用した資料です。医療機器とマネジメントのリレーションについてお話します。


1.医療の未来
 医療は、医療制度改革のなかで大きく変わります。病院は業態別に整理されるし、また、診療所は外来から在宅、地域へと選択肢を増やすことになります。

 まず、業態別整理ですが、厚労省はベッドを削減するための改革を矢継ぎ早に行ってきます。
DPC病院は、調整係数の廃止や点数や平均在院日数の先鋭化により10万床淘汰。地域一般病床は、入院基本料を引き下げることにより、下位施設基準病院の淘汰。

 又26年から30年にかけての全包括化により、20万床は在宅化、残りは回復期さらには療養病床への転換。

 そして現在の介護療養病床は結果として廃止。医療療養病床は、点数引き下げにより、はやり15万床への移行が進む。
 
 精神は社会復帰を進めるなか、精神療養の点数を引き下げるなか27年を目標にした7万床の削減と、それ以降の急性期化による10万床単位での削減がそれらです。
  
 診療所は開業が増加することにより外来の競争化が進み、在宅医療への準備を整えることになります。淘汰された病院の一部は、病院は診療所と住宅へのコンバージョンを行うことで地域型メディカルホームとなり、在宅医療への道を推進しますし、また、DPC病院が先鋭化されるなかで門前型メディカルホームへと移行しDPC病院の受け皿になります。

2.病院マネージメント
 そのようななかで、生き残っていくためには、病院がマネジメントを強化しなければなりません。人・時間・情報・モノ・カネといった経営資源を最大活用し、成果をあげていくためには、病院マネジメントを徹底して行う必要があるのです。 

病院のマネージメントは以下のもの
 ①人事管理領域
 ②医療ツール領域
 ③会計領域

(1)人事管理領域
 医師の経営参画のため、医師が行いたい医療を尊重したうえで、病院がその支援を行う体制がつくられます。毎月の診療実績を医師にフィードバックするとともに、病院としての強みづくりも同時に行われることになります。

 また、職員がビジョンをもって仕事ができるよう、上記の延長線上として立案された戦略に基づく経営方針を提示。さらにその達成のための目標管理制度が導入され、一人ひとりの役割が明確になります。公平公正な評価を行い教育の対象とするとともに、処遇を行います(続く)。