よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

日本DPC協議会セミナーin大阪

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 土曜日に、NPO日本DPC協議会のセミナーが大阪で開催され、200人以上、北は北海道から南は熊本から聴衆が来場しました。

 大阪リバーサイドホテルは桜の宮から歩いて5分の会場で、とても便利な場所にありました。

 私も、東京から朝早く新幹線にのり、16時(閉会の時間です)迄参加しました。

 赤穂中央病院理事長古城資久先生を協議会の理事長として、国際医療福祉大学の高橋泰教授が副理事長の布陣で、各県から著名なDPC病院が理事として参加しています。

 私は監事をやらせていただいているので、各先生方から身近に厚労省の話をお聞したり、これから医療がどのようになるのかについての考え、さらにDPCにはどのような問題があるのかを議論する場に居合わせる機会を得ています。

 今回は中医協のDPC評価分科会の委員に就任された、美原祈念病院院長である美原盤先生からDPCの新機能評価係数が決定されるまでの中医協の裏話をお聞きすることができました。

 生々しい厚労省での議論がどのように推移し、何らかの事情により変化していく様をお聞きすると、日本の医療が大きなながれのなかで、一定の方向に進んでいることを理解することができます。

 今回の改正について高橋教授や他の先生方が総括されていましたが、その内容をみると驚愕する内容でありながら、財政の状態や世界の潮流のなかで、日本が世界標準に向かい制度改革が進んでいることが判りました。

 DPC病院の点数は下がり、手術の技術料は3~4%以上あがることで、手術をするDPC病院に有利な改正となっています。

 また、一般病床は亜急性期病床の割合が大きく増加し、回復リハの点数は増加と併せて、ベッド削減と在院日数短縮の受け皿づくりがはじまりました。

 さらに在宅療養支援病院の基準が緩和され、在宅への誘導がより容易になったことも特徴です。

 医療療養病床の点数で、入院の必要性が少ないといわれている医療区分1が20%以上あると点数が下がる方向も在宅を誘導するながれです。

 15:1の施設基準以下の病院は基本料が引き下げられる、そして廃止に向けて改正が進んでいくでしょう。

 米国や欧米で一般病床が削減され、高密度で質の高い合理的な医療を行うDRG病院が中心となった医療システムが構築されたのと同じように、日本もDPCを利用した改革が着実に進んでいるのです。

 高橋泰教授は、平成30年には、一般病床はすべて全包括(すべてDPC病院になる)という説明をされていましたが、中医協での「軽度の急性期もDPC化に向けて検討を開始」という事実は平成19年から始まっており、とても現実味のある話であったと考えています。

 当初は26年という話を聞いていたので、少し遅いような気がしますが、これからは各病院が機能分化するとともに、連携を強化して継続医療、継続介護を軸に地域医療介護を進めていく時代が到来することになります。

 在宅療養支援診療所の役割はとても大きなものがありますし、在宅における医療型高齢者専用賃貸住宅(メディカルホーム)への期待も大きくなってくることは間違いがありません。

 私たちホワイトボックスは、DPC病院を多く経営支援を行っていますが、医療型高専賃の先駆者である明正会近藤理事長をファウンダーとするココチケアに経営参画させてもらうこととで、さらに医療療養病床や介護療養病床の再編や在宅化に向けたメディカルホームへの対応を強化しています。

 これからの医療改革の大きなながれのなかで行ってきた活動に誤りがないことが確認できました。

 いずれにしても、日本DPC協議会での多くの先生方からお聞きした話を、地域医療に
リアリティのある形でフィードバックするため、当社の活動をより強化していくことを決意したのでした。

 写真は古城先生と当日、地域医療支援病院の立場から自院の課題についての提言を行われた若草第一病院事務局長の土井生資氏、そして、新須磨病院の澤田勝寛先生と馬場記念病院理事長の馬場武彦先生です。

 この他、当日は実務からみたDPCの瑕疵を説明された奈良から北出病院、診療情報管理室室長崎山徹氏がいらっしゃいました。

 大阪セミナーは大成功でした。

 事務局の国際医療福祉大学准教授山本康弘先生ご苦労さまでした。

 そうそう、皆さん、当協議会は会員募集中です。HPからアクセスしてください。お待ちしています。