ホワイトボックス社の東京事務所には常に2人の留守番がいます。昼夜問わず365日泊り込みで、事務所を守っています。
彼らは名前はないものの、プライドをもって常に前向きに人(ペン)生を生きています。お台場のお店で出会い、青山の事務所からずっと一緒で、この事務所にも居ついているのです。
よくよくみてみると、一人はいつも上を向き、一人は見る者の視線に合わせて、心の奥を見透す目をしています。上を向いているのは、何化落ちてこないかという棚牡丹(たなぼた)を狙っているのでは決してありません。
宇宙を見定め、大きく地球を俯瞰する存在へ畏敬の念をもち、自分もそのようになろうといつも考えていてる風がみてとれます。
そもそも、なぜ宇宙があって、なぜ自分が生きて、この世に存在しているのかを誰も説明できません。
ただ、生まれたから生きる、ということではなく、生きるために生まれたと納得し、目的をもったものだけが「生かされている」のだと思います。
宇宙の不思議のなかで「生かされている」のであれば、自分の心に思い浮かんだものに打ち込むことが使命です。
自分がどうなりたいのか、何をしたいのかは、経験や環境から影響を受けるといわれていますが、そこにいること自体が必然なのですから、自分が思ったものに自分を賭けることが自然だと思います。
思い通りに生きることができる(ようになる)。これが人生の目的なのかもしれません。
ただ一つ忘れてはならないのは、「自分一人では何もできない」ということ。
他者との関係性のなかでしか自分を引き出すことはできないと考えています。多くの人々に助けられ、生かされる。
だからこそ自らを律し、他者とのより強い関係性を構築しすることが大切なミッションの一つになります。
関係性構築は、自己の確立と他者の受容から生まれます。そこからは利己だけではなく利他の思いが醸成されることになります。
彼らが2人でいることにも、そうした意味があるのではないか。
私の知らないところで、上を凝視する者を守り抜く決意をもって、もう一人は、見る者を射すくめる目をしているのだと思ったりするのです(上を凝視する者は、まったく安心して上を見続けることができる。その証拠に、この姿勢から微動だにしていません…。さらにすごいことに青い人を逆に守ろうとする手をしています)。
この2人をみると宇宙と自分、他者と自分がどうあるべきなのかをいつも教えられる気がします。