よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療介護は中国地方を横断し。

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 先日、今井産業主催の広島でのメディカルホームセミナーに来ていただいた医療関係の方々から、メディカルホームについての当社プレゼンのご依頼をいくつかいただきました。

 新病院建設の後、旧病院をメディカルホームにコンバージョンしたい、また地域施設の一つとしてメディカルホームを建築したいというお話がありました。

 そのプレゼンに先立ち、島根県のある町の病院から、新病院建設にあたって病床再編も含めてメディカルホームの活用を考えたいという病院へのプレゼンもさせていただきました。

 朝早く東京を出て、広島空港に到着。今井常務の運転で島根の山間にある町に向かいました。その病院では、院長と話が弾み、地域の話、メディカルホームの件、そしてメディカルホームには人材育成が必要である、という説明を行わせていただき、院長も野中郁次郎先生の勉強会に参加しているというナレッジマネジメントの使い方で盛り上がりました。
 院長の診察の時間も迫ったため、その場を辞し、昼食をとったあと、広島市内に向かったのです。

 常務のアロー号(速そうなので今決めました…。本当はハリアー)に乗り、山に道を喘ぎながら登り降りしたあと、開けた道からスット高速に出ました。

 これは順調に到着するのかなと思いきや、病院を出たころには小雨だった雨脚も強くなり、まるで渓流のなかを走っているような状態になりました。

 ワイパーはフロントガラスにあたる水を一生懸命に搔き出し、タイヤはうなり声をあげながら水しぶきをあげています。振り返るとまるで湖をモーターボートで疾走するような白いラインが見えました。

 前方を凝視しながらハンドルを握る常務が運転するアロー号は灰色の空のなか、豪雨をひた走る。

 これはまるで日本の今の姿のようだ、と私は思いました。

 透明な青空の下、草の香りを胸一杯に吸い込みながら、爽やか走れる中国道も知っている私は、あまりの天候に、少しだけ暗い気持ちになりました。

 そのときふと、大げさではありますが、何かを乗りこえることは簡単にいかない。苦難を切り開いていくことが人生ではないかと思い直しました。

 この豪雨も必ず止むことはある。同じように私たちも、必ず変わることができる、という確信ともつかない思いが心のなかに生まれてきた瞬間でした。

 多くの志を持つ仲間や友人、先輩、そしてクライアントや提携先に支えられながら、私は医療介護の端で仕事をしています。戦略をもち、アクションプランに落とし込みながら、より多くの人々と成果をあげていきたいと思います。

 メディカルホーム整備は時代の趨勢です。いままでのかたちの医療は崩壊するかもしれませんが、これからの機能分化された医療と介護をつくりだすためメディカルホームは不可欠であるという認識です。

 患者さんが入居し、あるときは利用者としてメディカルホームによる庇護のもと、自らの意思を尊重した生活を送る。

 診療所や病院、そして訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所といったプレイヤーが本来の機能を発揮しやすい場としてのメディカルホームの展開をこれからも懸命に行っていきたいと思いました。

 そのとき、前方斜め、遠くに目をやると、うっすらではありますが、連なる山々の向うの雲が切れて、一筋の光が差し込んでいるのがわかりました…。