先日、戸建て住宅を建築販売している住宅会社に訪問し、人事関係の仕事をしていました。人を採用する、そしてマネジメントするために、どのような仕組みが必要なのかということについて、初期の初期ですが、いくつかの規程を作成していました。
人が大切であるのは、どの業界も同様です。人事管理は、募集、採用、配置、教育、評価、処遇、退職といった区分により行われます。従業員を会社が望む一定の方向に誘導できるようマネジメントしていくことは、将来の投資であり、現実を乗り越えるための重要な仕事の一つです。
ここで、どのような戦略により何を目指すのか、そのためにはどのような人材が必要なのか、そのために社内で育成するのか、外部から採用するのかを決め人事管理を行うことはいうまでもありません。
社内で人材を育成するためには評価の仕組みをつくることが不可欠です。評価が不明瞭だと、従業員の現状が把握できず、どのように教育すればよいかが見えてこないからです。
なお、ビジョンが浸透しているのか、日々の業務において具体的になっているか、従業員一人ひとりの仕事に対する思いと一致しているのかを把握しておくことが必要です。いわゆるヒューマンリソースマネジメント(人的資源管理)の領域です。人を資源としてとらえ「人という資源をいかに活用するか」を考えます。
人が力を発揮するのは、仕事のなかで、
- やりたいことができる、
- 評価される、
- 達成感がある、
- 成長できると感じる、
ときですよね。
リーダーが日々指示するなかで、仕事に対する姿勢や態度、能力の見極めや得意分野、不得意分野について明らかにしたうえで、本人が力を発揮できるよう、適切な指導や教育を行うことが重要です。
部下がリーダーの言うことに面従腹背するとか、無視するとかがあれば組織運営が適正に行えません。リーダーシップが正しく発揮されているのか、リーダーとなる者への教育が体系的に行われなければならない理由です。
住宅会社の社長は詳細にまで気を配り、仕組みをつくり、教育を行い、数十人のスタッフへ方向を示しています。仕事の細かいところまで知り、トップマネジメントとしてのリーダーシップを発揮することが、いかに重要な役割であるかを、彼は知り対応をを的確に行おうとしています。
100億円になんなんとする売上を上げていた会社の創業社長でありながら、戦略と戦術、そして戦闘についても、丁寧に社員に説明している姿をみると、本当に頭が下がります。
とはいえ「いつまでも、社長を軸としたマネジメントでは先に進まない。今後は能力のある幹部(リーダー)の採用と育成が重要課題」と話します。
社長と昼食をいただきながら、よく日本や世界について話をします。政治経済、景気動向、財政、雇用問題といったことがメインで不安ばかりですが、結局は、私たち一人一人ができることを徹底してやろうということになりました。
社長は、「トンネルの向こうになにがあるのかは判らない。しかし、自分たちが一生懸命に変えていこう。政治でも国でも、他の誰でもなく、自分たちができることを懸命に行い、少なくとも自社が地域で評価される存在になれるよう仕事をしなければならない。」と話します。社長の言葉はずっしりと心に響きます。今日も勇気をもらいました。