よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

まずは受付業務と調剤

 病院の受付は外注に依存しているところと、自院独自で運営を行っているところがあります。前者であれば、彼らを統括する院内の担当者は存在します。

 受付は受付サービスと医事業務が存在します。外来の診療報酬を計算するスタッフが見受けられますが、彼らは場合によれば外部の派遣サービスを受けています。

 医事計算は、オーダリングというシステムや電子カルテが入っていたりすると随分と楽になります。患者さんが受付に来て、それから計算、さらにそこで会計から呼ばれ会計といったことが簡素化されます。

 最終的に最近は現金支払機が機能するようになっており、クレジットカードも普通のように使えるようになっている機器を用意している病院も増えています。

 受付業務は初期の診療科の判断やカルテ作成といったことに限定され、カルテについてもカルテそのものは電子カルテ化され紙カルテから解放されていることが多いため、必要なことはカードをもって各診療科の受付に行くということでの対応ができるところもあります。

 実はこうした情報系のシステムがあるところは、明らかに人でを省き、またミスを少なくするという意味では患者志向であると考えます。

 院外薬局になっていないところであったとしても、オーダリングや電子カルテが入っている病院では、すでに会計以前に調剤データが薬局に送信されていて、調剤が進んでいるところが多くあります。

 薬剤師さんに院内での持参薬管理や注射一本渡しといった業務、さらには服薬指導をしてもらいたいため(これは患者さんへの直接的な関与による質の向上という側面と点数=収益の観点からの実行と両方の理由があります)、外来は分業し外部に出す病院が多くあります。

 この場合には、薬剤は外で渡すことになります。

 外来の待ち時間が長い理由の重要な部分が調剤であることから、院外処方にすることにより、病院での待ち時間は激減することが多いようです。

 いずれにしても門前での調剤薬局がおもいっきりたくさんある病院がありますが、紐付きではないため、場所の確保が必死で行われます。ケースによっては医薬分業される何年も前から場所を抑えるために家賃を払っている調剤薬局の運営会社もあるくらいです。

 なお、最近では薬剤師会にて調剤薬局を紹介しているところもあります。当番で病院に窓口を設け啓蒙活動を行っている病院もあります。また、紹介状を持参しなければ特定療養費をとられるところもありますし、またしかし窓口を専用でつくっている病院もあります。

 受付してもらえる業務フローが円滑であれば、気持ちよく外来受付にいくことができますので、受付業務の機能はとても大切です。

 質問に適格に応えられる。作業が迅速である。トークがやさしい。案内が適格である…など、さまざまな機能がうまくできるためには、病院全体の文化や風土、さらには目標管理制度などによる患者への対応におけるクレームがないことなどがよい病院の大一番の評価ポイントになります。

 よい病院は、受付からしてしっかりと訓練され、また他の調剤はどちらかというと外来分離していることが多いと思います。

 外来分離をすることで、院内の薬剤師さんの服薬指導や持参薬管理(DPC以外の)、注射(薬)一本渡しといったことへの対応が期待されています。なお、薬剤部のなかに注射室をつくり、注射について手術室やICUへのデリバリー及びマネジメントを別途管理している病院もあります。