よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療法人刀人会 坂戸中央病院 戦略ミーティング

イメージ 1

 金曜日は、坂戸中央病院で戦略ミーティングを行いました。朝8時30分から、清水理事長(右)、土屋院長(左)、岸部事務長に集まっていただき、11時30分まで3時間ほぼ休憩なしで、これからの戦略立案のためのアイテムについての検討を行いました。

 地域医療を推進するために、地域一般病床をもつケアミックス病院はとても重要な意味をもっています。医療と財政のバランスをとりつつ、利益は患者さんの評価の証という考え方や、医療資源を最大活用するためには稼働率を100%とする、ということを理解していただきました。

 病院は利益を出すことが悪であるようにスタッフに伝えられ、結局、財務については現場が何かをするのではなく、病院幹部がその心配をしたり、具体的な活動を誘導するということで病院マネジメントが行われています。これではまずい。

 逆にアンケートをとると現場では、利益を出さなければ地域貢献できない。なぜならば、病院を維持することができないから…。といったことについて十分理解をしていたりすることがわかります。利益がでなければ投資もできない、処遇も変えられない、医療従事者も集まらない、といったことから、やはり利益を出す必要があります。勿論、キャッシュフローがついてこなければ意味がありませんので、営業キャッシュフローについて執着した経営を行うことになります。

 ただ、そうはいっても現場では利益を出すということはメインのテーマではありません。戦略を明確にしたうえでのプロモーションによる増患、医療の質を向上させることによるブランド構築、そして増患といった2つのアプローチを促します。毎月に実績を迅速かつ正確に把握し、現場にフィードバック、結果として利益がでる、というストーリーが必要です。

 結局は医療の質を向上させれば利益は自然とついてくるもの。この考え方を一方では厳格な管理のもと保持する必要があります。まずは、現状を定量的に把握したうえで、医療の質向上のために懸命に努力する。これがすべての病院における医療従事者の活動の基本です。

 理事長や院長から、さまざまな意見を聴取し、また事務長と現状の課題を抽出しつつ、よい医療を徹底するための戦略がかなり議論されました。彼らのマネジメントによる、これからの活躍と飛躍が期待されています。