よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

空からみえた、人の無限な可能性

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 函館空港を8時45分に飛び立ったANAボンバルディアDHC8-Q400は、乗客もまばらで74席の狭い機内が随分広く感じることができるほどでした。
 
 函館から札幌市内に入るには3つのルートがあります。一つはJRで3時間以上列車に揺れながら札幌駅に移動する方法、そして二つめは函館空港から丘珠空港、そしてバス、地下鉄を乗り継いで市内に入るやり方、三つめとして今回、開設された函館空港から千歳空港、そして快速で札幌駅に入る方法です。

 昨日の私の移動は三つめを選択しました。

 夜、森町立病院のO事務長とミーティングしたのち、翌朝ANAのこの便を選んだのでした。

 ジェット機よりも低い高さを飛ぶ飛行機の窓からの景色は、リアリティのある、しかし地上にいれば、まず見ることのできない景色が多くあります。空港から上昇すると大きく海岸を展開し、海をなぞり、そしてまた陸に入るというコースです。
 
人の息遣いが聞こえてくるような、暖かい、そして、どこかで見慣れた海や山や川、平野が眼下に広がります。

 自然のなかに人間がつくりだしたものが、そこここに点在しています。

 ゴルフコースであったり、港湾施設であったり、道路であったり、人が営々と築いてきたものを垣間見ることができます。
 
 善し悪しはあるものの、人が生きるためにつくりだしてきた、彼らの生きざまがそこに展開しています。欲望のため、お金のため、あるいは政争のため、みえをはるため…そこにはさまざまな理由があるのでしょう。
 
 理由はともあれあるものは生活に不可欠であり、また役に立っているものも多くあるのだと思います。必然と偶然が交差するなかに人が生きていることが、景色を通し透けて見えてくる時間でした。

 目を見張るのは畑です。整然と形づくられ、機能的に生産を図ろういう意図が垣間見れます。つくりだした美しさがあります。

人が動きやすい範囲や生産物の収穫高を考慮した広さで区切り、作業が秩序よく行われている可能性がある。なぜこのように各区分がつくられているのか、そして、それぞれの作業の進捗が異なることの意味を知るよしもありませんが、何かぐぐっと心に迫るものがありました。
 
人が考え、行動し、そして生き、成果を享受し…。苦悩や絶望、喚起や満足など生産者の生活がそこに表現されているからです。

 人間の可能性は無限であり、無から築きあげてきた文明を私たちは享受しています。畑のなかにその歴史が見えた気がして私は少し感動しました。沈みゆく日本に生きている、私たちが何をしなければならないのかの答えは、そんなに遠くにはない、と思うのでした。