よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

よい病院は気持ちがよい

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私は病院が好きです。

なぜか仕事でも毎日のように病院に訪問するか、あるいは病院関係の仕事をし続けています。

しかし、大好きのなかには私自身が診療所だけではなく病院にも自分の治療のために通院するということも含まれています。

通院するというなかにも、どうしても仕事の目ですべてをみてしまうため、いろいろ気がついたり気になることが多くあります。

その日は造影剤を入れて、胃透視の医療機器に乗っての一般撮影を行いました。腎結石があるため尿路の診断を行うためです。

以前、この病院で造影剤のCT検査をしたときに、看護師や医師が名を名乗り、病院はこんなにも接遇に力を入れているんだと感心したことがあります。

しかし、以前からホワイトボックス社では本来の接遇と言っていて、笑顔挨拶は医療技術の発露である。

力がありプライドをもった人は他人に優しい。という考え方をもっています。接遇は痛みを与えない、羞恥心を与えない、恐怖心を与えない、納得してもらう、不便を与えない、不快な思いを与えない、不利益を与えないということと認識しているのです。

したがって実は笑顔挨拶はなくても、きちっとした医療看護及び周辺行為ができればいいと私は思っています。

今回は、検査室の機器の上で準備をしたあと、看護師さんから「先生がいらっしゃいましたので、造影剤を入れます」といわれ、その若い医師は、風のように入ってきて、「ちくっとします。いやな感じがするかもしれません。

痛みが広がるようでしたら言って下さい。特に変わりませんね」といって去って行きました。彼はきちっと仕事を終え、すばやく消えました。

本当はもう少し時間がたったと思いますが、ほんの数十秒に感じました。これでいいと思いました。病院の考え方も、そのつど変わる、あるいは個人により対応が異なるのは当たり前だと思います。

そういった雰囲気だから、ということで気を使わず、本来の医療を徹底するということで私はよいし、後で診察室でみた写真もきちっととれていたので、よかったのだと思います。患者さんは、挨拶をされに病院に行くのではなく、治療を行いに病院にいくのです。

 低い技術しかないにも関わらず笑顔挨拶でごまかす医療は欺瞞です。高い医療看護技術、そして医療周辺行為が、まず必要です。仕事ができる人は他人に優しい…。

事務においていえば、点数計算も長い列をまって3分以内であり、会計も待つことなく瞬間で終わり、気持よく病院を出ることができました。

 近隣にある他の大学病院の会計はカードを渡し、いったん、会計計算したデーターを、一人の人がアナウンスして患者に配るというフローを採用しています。その病院はオーダリングや電子カルテを入れているもののここより速度は遅い。

 この病院のように電子カルテはいれず、オーダーリングの一部と紙のオーダーシートで会計を一つ一つの窓口が行い、その場で会計伝票を渡すほうが早く処理できるものだと改めて感心しました。

 この病院は医事計算の窓口は10ほどあります。会計も機械と人の窓口があり、結構やさしいシステムになっています。この病院はシステムや個人の質が高く淀みがありません。

 また、よい病院に出会えて嬉しくなりました…。

 帰りの駅までの道に生い茂る木々の葉が、妙に色濃く、そして力づよく目に映りました。