よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

日本DPC協議会での高橋教授と古城先生

イメージ 1

イメージ 2

先日、日本DPC協議会のセミナーin東京がお茶ノ水で行われました。

200名の医療関係者が全国から集まっていただき、大変ありがとうございました。ここではDPCにおける外来と入院の連関について、を大きなテーマとして、複数の医療関係者によるセミナーが行われました。

外来まで包括になることを予想して、現状の動きや、病院における実例を知るためのセミナーでした。先だって国際医療福祉大学大学院高橋教授が、今後の国家的病床再編の話や、全包括が次回の診療報酬改定で発表されるのでは、といったことについての説明がありました。

実際、セミナーでは語られない日本の人口と医療政策についての話を普段からDPCの理事会等でお伺いしている身としては、背筋が寒くなる思いがあり、何度聞いても緊張する内容でした。

 私達は現場に赴き、DPC病院のコンサルティングを数多く行っているコンサルタントとして、先生の話されることが実感をもって認識でき、余計に納得した次第です。高橋教授はベンチマークから原価計算の時代に入り、疾病別原価計算を進めていくことのなかで、自院の治療構造を把握し、戦略に活かすべきだという立場をとっています。

 そもそも収益のベンチマークはDPC病院となる初期の段階での検討であり、遂には自院の損益構造の理解や治療構造の認識、そしてどこに強みを置いた診療活動を行うのかといったことに経営が意識を振り向けなければ、本当の意味でDPCの素晴らしさを実感することができたいと私は考えています。

 ただ、いつも説明しているように、DPC病院だからDPCだけに頓着すればよいのではなく、現場の業務改革や部署間のコンフリクトの解消、そしてディスチャージプランニングの円滑活用と増患について真剣に考えなければDPCそのものの前提が構築されず、DPCも活きてこないことを知る必要があります。

 結局は良い医療を行い続けるため、医師を中心とした医療の原点回帰を行う時代に入ったということでしょう。企画業務が益々重要になり、医師に対するフィードバックを行いつつ、彼らが働き易い環境を看護や技術、そして事務のすべてのスタッフが留意し、病院運営を行うという基本的な行動を行うときなのだと思います。

 そして、赤穂中央病院の古城先生。またまたベンチプレスでアジアチャンピョンです。病院経営を成功させながらも、ベンチプレスで世界チャンピョンでもあった(ついこのあいだ全米選手権で先生の記録を塗り替える兵が出現したとのことでした)、先生はさらに全日病での活躍や、大阪の病院開業を準備され、益々医療業界でも力を発揮しています。

 日々の予定が分刻みであり、すべてにわたり常に懸命に活動している人気者の力をもった高橋教授と、世界を股にかけしかし、日本でも八面六臂の活躍をされる古城先生が中心となり運営される日本DPC協議会のこれからにとても期待しています。