よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

銀行の医療への関与(2)

6.他の業種との相違
(1)いわゆるサービス業のカテゴリーに含まれる業種である

(2)マネジメントのロジックはほぼ同じ

(3)マネジメントの基本を押さえれば、あとはどの業種にもある業種特性を理解すれば営業は容易

(4)但し、医師と看護師の数、及び能力やスキルに大きく影響される。医療・看護サービスそのものはシステム化が意外と困難な部分がある

(5)他の大半の業種がすべて取引の対象となるコアビジネスである。したがって銀行が医療を核とした、他の業種活性化のための行動を取れやすい

(例)不動産、建設工事、医療機器、医療材料、医療用消耗品、リース、レンタル、IT、薬剤、検査、保険、人材派遣、事務機器等、飲食、コンビニ、車両運搬具、清掃、警備、他のアウトソーシング等 

    
7.銀行としての営業推進
(1)急性期、亜急性、維持期(慢性期)の認識  
 
(2)業態の把握
  ①DPC病院
  ②地域一般病床をもつ病院
  ③亜急性期病床をもつ病院
  ④療養病床をもつ病院
  ⑤回復期病院
  ⑥精神病院
  ⑦その他の病棟をもつ病院(緩和ケア、障害者病棟等)
  
(3)企画商品販売(例)
  ①メディカルホーム
  ②介護事業への展開
  ③M&A
  ④サテライト展開多角化資金
  ⑤LLCによる統合
  ⑥コアマネジメントニーズへのアドバイザリー

(4)ニーズの聴取によるターゲットの明確化(例)
  ①通常運転資金
  ②診療報酬債権の買い取り
  ③リースバック資金
  ④病院建替え建築資金
  ⑤他の設備投資資金
  ⑥営業斡旋
  ⑦証券化
  ⑧奨学金(病院への融資及び個人ローン)等
  ⑨あらゆるマネジメントニーズへのアドバイザリー
    
8.業態別ニーズサマリー
(1)DPC病院
  残れる病院はDPC病院になり、急性期を担当する。すべての上記ニーズがあるが、共通するニーズ は医師や看護師の獲得。さらに重要なものは、増患と退院支援。回転をよくすることがベース。設備投 資ニーズや退院先の確保(メディカルホーム)ニーズがこれからでてくる。但し、ここでも優劣はつい ているので、ニーズを詳細に見極める必要がある。
 
(2)それ以外の病院
  200床未満の病院は在宅療養支援診療所や亜急性期のベッドを50%持てるようになるなど受け皿 化が進む。また、30年に全包括への変更が行われると、すべての中小病院はDPCへ行く病院、他の 業態にいく病院、残りは淘汰されるか在宅化に向けて舵を切らざるを得ない。

  医療療養病床は残る。但 し、2、3区分の患者を80%以上持つことが必要。この基準はさらに厳 しくなる。ベッドを減らして 地域メディカルホームを建築するニーズが高くなってきている。病院は 重装備で、コストが必要となる ため、同じ医療を行うに当たり不利。医療看護の経営資源を活かし、 在宅医療を行うことが基本。精神 病床も急性期化するため、注意が必要。


といったところです。これから、先は、病院マネジメントについての研修が行われました。
動態的審査といったカテゴリーについて、ホワイトボックス社の審査ロジックを提供しています。

 それらについては、ここではご紹介しません。政府は医療介護を内需拡大の重点政策としており、銀行もより一層医療介護との取引に傾倒してくることになります。ただし、すでに決算書だけをみて与信判断することはできず、病院動態を常にチェックするという方向に審査手法が変わってくることは間違いがありません。病院は、そうした変化を見逃さず、積極的に情報提供することで、調達を容易にすることが望まれます。

 銀行に身を置き、そして病院再度の資金調達に関与する我々は、どのように両者のニーズを捉え、折り合いをつけ取引を成約させるか。腐心する点です。