よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

あなたはリーダーとして、中間管理職として責務を果たしているか

 今、新宿から特急乗り移動しています。特養の幹部への面談を行うためです。今日は、どちらかというと現場で頑張っていただいているリーダーから話を聞くつもりです。

 組織は、結局はそこに所属するスタッフのアクティビティにより成果をあげられるかどうかが決定します。どんなシステムやどのような制度があったとしても、それを最大活用しなければパフォーマンスは向上しません。

 人が最も重要なマネジメントリソースであることの理由です。教育制度も必要ではありますが、教育すればすべてが組織が考える到達点に到達するのかというと、そうではありません。結局は受容する者の意識が制約となるからです。

 意識をもっていない者に対し、いくら教育を施しても成果があがらないのは、喉が渇いていない馬を川につれていくということで説明されますが、その通りだと思います。何かに餓えて(かつえて)いない人をいくら強制的に教育をしても限界があります。

 組織はそれを懲りずに弛まず飽きず実行していかなければならないのでしょうか。大きな組織で緊急性のあるところ、ないところ、小さな組織で緊急性のあるところ、ないところ、それぞれ異なるとは思いますが、まずはリーダーが死に物狂いで組織を変えようとして行動することが求められます。

 それに気がつく中間管理職をまずつくる。そのうえであるていどのパフォーマンス力を得て、組織の教育に入る、といったことが有効だという結論を得る組織が多いと思います。

 システムや制度だけでは人は変わらない。変わる速度は遅い。リーダーが自らの思想をもって、ビジョンを語りつつ、生死をかける気持ちで旗を振り、自らが現場で成果をあげていく。一人でも同様の行動をとれる幹部がいれば、それは湖面に落ちた葉がつくりだす次々に作り出す輪のように、内面に静かに広く影響を及ぼすことができると考えています。

 リーダーは騒ぎ立てることもせず、率先して着実に自らが動き、活動する。それができてなければ、組織は急には大きく舵を切ることができない。

 そうしたリーダーが組織にいるのか、中間管理職がリーダーに呼応して行動しているのかを、今日面談で把握したいと考えています。