よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

クリエイティブな事務長の時代

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 病院の表の軸は理事長、そして院長をはじめとする医師達です。医療は医師の診断がすべてのスタートとなるからです。もちろん、医師を支える多くの職員により、医療が成り立つことに疑いの余地はありません。医療行為は組織的行為である、ということができます。 

 一方病院は医療とともに財政で支えられています。とりわけ民間病院は、財政がなりたたなければ存続ができません。存続できなければ結果として医療を提供することができないのです。医療と財政は医療提供の両輪であるということができます。財政を司るのが、事務長です。

 もっといえば、医療、看護及び医療周辺行為以外の病院を支える機能の大半の業務の責任を事務長が担っているといってもよいでしょう。事務長の仕事の巧拙により、病院の経営が決まってしまうといっても過言ではありません。

 医療のトップと医療領域以外のトップは連携して医療を守る。これが病院のマネジメント構造であるということができます。

 K病院は長くからこの都市で地域医療に貢献してきた病院です。業態の変化はあったものの、お爺さんも、お父さんも、私もといった地域に親しまれています。しかし、時代の変化は急激であり、多くの病院がそうであるように、K病院もこれからどのような医療を提供していけばよいのか、戦略決定する時期にきています。 

 過去の輝かしい実績を踏襲しつつ、これからどのような機能を強化して、より高い地域貢献をしていけばよいのかを決定しなければならないのです。

 K事務長はこの点に心を砕き、日や思案を重ねています。その構想は洒脱で、創造的です。繊細は思考がなければ、時代や地域特性そして立地を斟酌した病院機能づくりはできません。K病院がどのように進化するのか、とても楽しみです。K病院の動向から目を離せません。