よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

マニュアルについて

 以下は、ある病院でのマニュアル作成についての勉強会資料です(抜粋)。


2、作成上のポイント確認
 作成上留意することは、次のことです。

(1)体系
①患者様が来院されてから退院するまでの業務のながれを把握している
②①のながれのなかで行われる個々の業務を把握している
③①と②の関係が明示されている
④②のなかの手技に関するものはパスと連動する 
⑤各部署ごとの連携が明らかになっている
 aマニュアル間でのリファレンス
 bマニュアルのなかで異なる部署のやり取りが記載される
⑥主管部署が明らかである  


(2)業務マニュアル
①定型的なフォーマットにより作成される(一次)
②別のかたちに①を落とし込むのは自由
③留意点が十分に検討されている
④留意点と手順が混同されていない
⑤本来の意味の接遇が留意点とは切り離されて記載されている(選択)
⑦全体的にコードが付けられ、常に管理されている
   

3、運用上のポイント確認
 運用上留意することは、次のポイントです。
①改善提案制度とのリンクにより一定期間内で書き換えられる
②教育制度とリンクしており、スケジュールをもって周知させるための方法が採用
 されている
③個人個人の評価とリンクしており、評価の対象となる
④過去から実施している発表会とのリンクもある
⑤パスの構成要素として、アウトカムマネジメントやバリアンス管理とのリンクしている
⑥パスが書き換えられるとともに、マニュアルも書き換えられることがある

 本来であれば、目標管理制度が導入され、個人個人それぞれの目標が決定されることが望ましいと考えます。目標管理制度のなかで、個人レベルで技術、技能が評価される基準としてマニュアルがあるとともに、そのレベルまで自己を高めるために必要な基準としてマニュアルがある、ということになります(続く)。