よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院改革への道

 病院は知らない間に160満床を切っています。

 少子高齢化はいよいよ現実味を帯び、人口問題は大きく経済に影響しようとしています。例えば1950年は、確かに人口8400万人でしたが、65歳以上の高齢者はわずか400万人そして、支える20歳から64歳は4100万人でした。2015年には、人口は1億2600万人であり、65歳以上は3200万人、支える20歳から64歳は7100万人となっています。当時は10人で高齢者1人を支えていたものが、2015年では2.2人で高齢者を1一人支えなければなりません。

 この間の日本経済発展は目覚ましく、さまざまな革新が行われ生活を豊かにしてきました。当時といまでは高齢者の考えや発想も大きく異なります。

 そもそも高齢者とはいえ彼らは多くの情報を得て、当時よりは格段にうまく生活できる術を修得しています。

 しかし、現実を直視すれば不況はながびき、貧富の差は顕著になり、ココチケアの施設でも、年金をもって施設に入居している高齢者を支援していた家族の可処分所得が減り、複数の入居者家族からの入金が滞り始めている現状があります。

 結局は、歳入が増加しないなか、誰がどう負担するかだけののつけ回し政策が続くかぎり、間違いなく財政的が逼迫します。

 財源がないなか、不効率な経営が行われ、一つの病院で毎年数十億円億円も税金を投入している病院も多数あります。ある県では黒字の公的病院が一つもない現実もあります。

 民間は必至になり税金を払いながらもよい医療を続けようと努力しているなか、さまざまな理由があるとしてもそれができていない公的病院も多い。一方独立行政法人の多くは公的病院でありながら徹底した管理会計を導入し、部門別管理を行いながら貢献利益の額に見合った固定費を削減し、利益に執着している大学病院もでてきています。
 
 医療の質を担保しつつ利益を出すためには、そうとうの努力のなかで創造と工夫を繰り返す必要があります。聡明な病院トップを擁する病院は、的確なマネジメントを行い成果をあげています。

 人口問題が加速度的な影響をもち、医療介護に大きく影響をもちはじめる今、公的及び民間問わず病院トップ及び幹部のマネジメントに対するより一層の取り組み強化が望まれるところです。