よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

部署目標のポイント

 春がきて、部署目標を作成する時期が来ました。多くの病院では目標管理制度やBSCを導入しています。経営方針から、自部署の目標にブレイクダウンしていくときに、自部署の目標の設定を行うことが適当です。

 部署目標は次のようにしてつくります。
(1)自部署の課題整理
 ①自部署の課題を抽出する
 ②どのように解決すればよいのかを考える
 ③優先順位をつける
   
(2)事業計画を把握する
 ①事業計画の各項目は何を求めているのかを理解する。必ずしも直接のテーマとなっているものだけで
  はなく、大項目となっているものが対象となることを理解しなければならない
 ②自部署であれば、どのようなことが対象となるのかを抽出する

(3)事業計画と部署課題のリンク
 ①事業計画を達成するために自部署の課題がリンクするかを検討する
 ②自部署の課題がすべて解決することで事業計画が達成できる目標を検討する
   
(4)部署目標決定
 ①(3)の②を列挙し優先順位をつける
 ②そのなかから実行可能性の高い目標を決定する

【整理】
 自部署での解決課題と、事業計画に提示された目標を達成するために、どのような活動を行えばよいのかを検討し、部署目標を決定する。

 部署目標を作成するときに、自部署の構造的な課題を経営方針からの目標に併せてつくりあげていくと
とてもリアリティのある目標になります。
 上から与えられた目標、ということではなく、実際にこの問題を解決していくんだということについて納得して解決行動をとり易くなります。病院は、現場任せにせず、こうした部署目標の達成において明確な支援を行い、現場が達成感を得られるよう対応していくことが必要です。

 もちろん、部署目標は4月に立案して完了というわけではなく、達成するつどさらに次の問題を目標として織り込み問題解決していけばよいと考えます。4月に明確な部署目標をもち45°目線でスタートが切れればよいですね。