よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

部下による上長評価チェックシート(2)

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(4)指導力
 指導力は文字通り指導をする力をいいます。指導をする力とはある目的・方向に向かって教え導くこと、ができる力をいいます。方針がでて、環境を整備したうえで、コミュニケーションを図り、適切な指導を行い目的を達成しようとするものです。
・部下が行動しやすいように具体的に充分指導するか
・部下の行動に対しアドバイスをするか
・部下の行動に対するアドバイスは適切か
・部下の成長課題を発見しその達成に対しアドバイスをしているか
・課題達成のためのアドバイスは適切か
   
コミュニケーションをとったのち、指導力を発揮しなければなりません。指導力を発揮するためには、部下への指導を正しく実施できる条件を満たす必要があります。

 指導は指摘して導くことだけではなく、ある部分、もう少しライトなアドバイスをするかたちで指導を受ける側に伝える、そして考えてもらうということが必要です。それらができているかどうかについての内容がここで説明されています。

(5)教育
指導を適切に行ったとしても、指導した内容が伝わらない可能性もあります。したがって同時に教育を行うことが求められます。教育システムを整備するとともに、上長がどのように教育に関与していくのかについてをテーマとしてます。

・仕事の多くを部下の育成に使っていると感じられるか
・部下に仕事のなかで勉強の機会を計画的に提供できているか
・部下の知識や経験の到達点を設定しているか
・部下の到達点に到達するための教育の機会を提供しているか
・教育の機会の提供は公平にすべての部下に与えられているか

指導を行うだけではなく、説明したように教育が組織内で正しく行われる必要があります。上長の多くの時間は組織をどのように使い、与えられた使命を果たすのかということに利用されなければなりません。そのなかの重要な部分が教育です。教育を行うことが重要な仕事の一部であることを上長は理解しなければなりません。また、それは計画的であり、目標を設定したうえで部下すべてに公平な機会を与え、行われることが大切です。

(6)評価
教育をした成果がどうであったのかが評価されなければなりません。評価するということは、被評価者をよくみている、ということの表れでもあります。被評価者をよくみるからこそ公平公正な評価が行えます。みる視点に私心があってはなりません。被評価者に正しく対応できるようにすることをテーマとしています。
・仕事の成果を求めるがプロセスをも評価しているか
・部下の取扱いは分け隔てなく公平公正に行われているか
・部下に対する評価は公平公正であるか
・裏方で成果をあげている者を評価しているか
・部下を正しく評価し立場も理解して指導をしているか

評価においては、到達点をもち常にあるべきかたちを意識し、結果だけではなくプロセスにも目を向けなければなりません。さらに、上長はすべての部下に目を配り、指導教育を行うとともに、その結果をつぶさに把握しなければならないのです。

なお、当然のこととして、直接的に利益を上げる部署に所属するスタッフだけではなく、彼らを支える間接的な仕事をしている部署のスタッフであっても、またそれぞれの組織においても、目立つ者だけが評価をされるのではなく、地道に仕事を積み重ねている者にも光を当てているかが問われます。なお、評価には指導が付いて回ります。

指導には評価の結果が反映されるべきものですが、被評価者の立場もあり、評価の結果の指導が一方的にならないように配慮されているかどうかもテーマになります(続く)。