よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

新しい地域密着型病院とは

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 医療経営阻害要因は以下のものです。

 (1)政治が混迷し、舵取りが誰もいない
 (2)財政的には国債だよりの運営がいつまで続くのか怪しくなり、国際は2度の格下げ対象、さらに
    追加的引下げ対象となっている
 (3)意図的な円高基調にあるため、身動きがとれない
 (4)海外での生産は増えているが国内生産は増えていない
 (5)家計の所得は年々減少している
 (6)歳入40兆円歳出90兆円=50兆円は借金
 (7)金利と積み重ねにより、確実に国の借金は増加
 (8)消費税は不可避
 (9)過去と同様の年金支給額、社会保障へのコストを負担できなくなりつつある
(10)医療費負担増、介護給付の制約
(11)国民の可処分所得、内国法人の所得は確実に低減する
(12)外来患者の受療率はピーク(2000年12月)から、21%以上減少している

 そのようななか、地域に根をはり、しっかりと医療を行い、地域貢献している病院がどの地域にも必ずあります。そうした病院の特徴は、経営トップが明確な方針をもち、戦略的に行動しています。さらに職員が培われた文化風土を大切にしているという特徴があります。

 この病院もその一つです。医療療養病床は、すでに終の棲家ではなく、また長期療養の施設でもない。入院したときよりも元気になり、在宅で人間らしい生活ができるようにするための病床であるという位置づけがされつつあります。急性期はDPC病院のみと定義された今、まさに後方支援病院がその使命を果たす時代が来ました。医療療養病床や一般病床等とのケアミックス病院が地域から評価されるときです。

 当院では、経管栄養から経口摂取に患者さんを誘導したり、褥創を治療して退院していただく。看護師の高齢者に対する思いを強くもち、懸命に日々活動するスタッフがたくさんいます。保有する介護施設をも含め、縦横無尽に地域貢献されています。

 彼らを鼓舞し、優しく指導するI理事長や、現場でながく高齢者総合医療のエキスパートであるT先生。他の医師をも含め、こうした病院は、トップや医師のリード、そしてスタッフの総合力で着実に成果をあげていることがわかります。

 これからも大きく経営改革をされ、力強く活躍されることを期待しています。