よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

忘れられた東京タワー

 

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栄枯盛衰はどこにでもあります。栄枯盛衰は、栄えることと衰えること。栄えたり衰えたりを繰り返す人の世のはかなさをいいます。

 

芸能人やスポーツ選手、企業や産業もその例はあるし、インカまで遡らなくとも炭鉱の町や工業都市、鉄鋼や造船などもそう語られる対象です。

 

永遠に栄え続けるということはなかなか難しいし、ライフサイクルというものは時代や文化、思考や流行などさまざまな外的要因により左右されるのであるから致し方ありません。

場面が変わりまた役に立つこともあるし繁栄することもあり、物事には、良い時もあるがそうでないときもあるんですね。

 

ただ、たとえ表舞台にいなくとも、何かを支えていたり裏方に回り見えないところで力を発揮しているものもあると理解するのが適当です。というよりも、物事すべてはそうしたものだという達観も必要なのではないかと思います。前提がそのようなものであるとすれば、何も一時期力を失ったり風向きが悪く、表舞台から引き下がるのも悪くはないことに気が付くからです。

 

良いときを中心に見るのではなく、今、何かをしており、何らかの価値を提供していることを軸にすれば、良くなることもそうではないこともあると納得できます。衰えても生きていることには変りはないのですから。

 

もちろん企業や産業のライフサイクルで成熟期までに次のビジネスを考えることがマネジメントの基本であるとしても、状況が良くなくなったときでも、臥薪嘗胆、捲土重来を考え、いつかはまた良い時期がくる、さらに力をつけて次を待つというという姿勢をもって生きていくことも大切です。

 

繊維から食品、食品から薬品といった経過を辿り復活した企業もあるし、紡績から化粧品、花札からゲームの世界に入り大きくなった企業はつとに有名です。脇役であるとき急に復活して皆を楽しませてくれる役者さんもいるし、歌手もいます。隣国の韓国なども一時期は破綻の道を歩みながら大いに復活し、それを発条として大きく復興している国だということも忘れてはなりません。

 

さて、日本はどうでしょう。日本に栄えた時代がどれだけながくあったのかということについては検証が必要ですが、皆も理解しているように高度成長時代日本は大いに盛り上がったことは事実です。しかし高齢化や少子化に手を打ってこなかったことや、時代に甘んじて本当の意味での戦略的な国家運営を行ってこれなかったということもまた歴史としてあります。

 

多くの国民は意識していないかもしれませんが、大変な国情になっていると思います。貧富の差は激しく、国民全体に活力がありません。先日見た雑誌に、日本の生産性は先進国のなかでも下位にある、という記事が特集されていました。日本が復活するのでしょうか、このままのたれ死んでしまうのでしょうか。

 

若年層人口が少なくなる現状において、我々は何をしていけばよいのか。どうすれば復活するのかを真剣に考える必要があります。国を動かすエネルギーは国民にはなさそうですが、少なくとも個々人が自分の立ち位置で最高の成果を挙げるよう努力することは誰にでもできると思います。

 

例えリーダーは存在しないとしても、一人ひとりが意識を変えることは可能です。

強い思いを持ち、意識をもって、誰が牽引するのではなく自らが自らを鼓舞し力を振り絞り、時代に抗う必要があるのではないでしょうか。懸命に生きることでそれが可能であるのであれば、多くの人がそうしているかもしれません。ただ、まだまだやることはあるのだと思う気持ちもあります。

 

会食のため訪れた店の窓から東京タワーが見えます。東京タワーからスカイツリーに主役が移り、なぜか光輝いていないように見えます。このままで良いはずはありません。

衰退したままで日本を終わらせないために、一人ひとりが立ち上がらなければなりません。少なくとも私の周りには危機感をもって動く人が増えてきています。まだまだできる。まだまだやらなければならない、もっと、もっと前にという高い意識をもって闘い続けることが求められていると思います。

 

  • 誰にも負けない(自分の)強みは何か
  • それらを絶対に目立つ非凡さ(purplecow)にまで高めているか

ということを確認するとともに、

 

  • 社会貢献することを念頭に置き、
  • 財よりも他者の喜びを糧とすることができるか

といった意識が心底になければならないと考えるのです。

 

 栄枯盛衰をしっかりと理解し、例え現状は衰えていたとしても、どうしたらまた栄えるのかを考え、我々一人ひとりが今の職場で成果を挙げ続けていくことが必要だ、という結論になりました。毎日の自分を見直してみようと思います。