よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

ブリーフィングシステムって何

 医師のモチベーションをあげるために、医師とのコミュニケーション活性化を図る必要があります。

 ブリーフィングシステムについては、既に雑誌で全貌を発表したり、また、過去ブログでもご紹介したりしています。多くの病院で医師との面談を繰り返しブリーフィングシステムを導入するにつけ、いかにいままで医師と病院との間のコミュニケーションが欠けていたのか、彼らの考えを理解して診療に反映していなかったのか、目標を設定して達成感を醸成していなかったのか、ということに気が付きます。

 そこで、今回、簡単な「さわり」についてご紹介し、次のステップに進む準備をしたいと考えました。

 以下、説明します。

 ブリーフィングは短い報告という意味で、基本的には医師から経営トップに一定期間における運営内容を報告することをいいます。

 毎月、当月の業績をトップに報告することにより、自部門が円滑に診療活動を継続することができるよう病院から支援を受けることになります。

 報告の形式はとるものの、実際にはトップと医師とのコミュニケーションを強化し、そのことにより医師がどのようなことで困っているのか、また悩んでいるのか、あるいは積極的にどのような問題を解決しようとしているのなどを聴取し、アドバイスを行う。

 あるいは他部門との調整を行い、組織全体が最適化するよう調整を行なう目的をもっています。以下その方法について説明します。

 ブリーフィングを行なうためには、ブリーフィングを行なう医師のための準備をする必要があります。
ブリーフィングを行なう医師が自部門の成果を理解し、納得することができる。そしてそれを説明することができるということがここでの目的です。

 理解し納得するということは、診療活動が明瞭になることを意味しています。患者数や単価。疾患、そして治療の内容。治療の時間。検査の内容、治療により得た収入、必要としたコスト。患者さんの動向、年齢、一人当たりの診察に要した時間。さらには患者さんの反応などが医師にフィードバックされることで医師は自らの診療活動の内容を認識し、理解し、納得することができます。

 病院は事前にこれらを用意し、医師に説明をしたうえで、ブリーフィングに望めるよう医師を支援します。この準備には事務部門が総力をあげて対応することになります。

 部門別・診療科別損益計算による部門全体の損益の提示。自部門の直接利益、配賦後利益を提示するとともに、その原因の推定、課題は何か、どうようにすれば課題が解決できるのか、といったことをレポートにして提供することや、医師の質問に答え、理解できないことを排除していく必要があります。

 さらにできれば他病院とのベンチマーク指標が提示され、一般的な病院とのデータの乖離が提示されることで、医師は自分がどこまでやればよいのか、やる必要があるのかについての判断を行なう材料とすることができます。勿論、マーケットの現状や実態が異なるデータであり、まったく同じ条件でのデータである確率はとても低いのですから、あくまでも参考であると考えます。

 なお、上記については部門別・診療科別損益については予算と実績比較、差額といった表示の仕方をしていくと理解がし易いと考えます。また指標については先行指標と実績指標を比較して乖離を出した資料も同様に意味をもつことになります。

 また、さらに、進化させるのであれば、科別のその時期における一般的な診療内容についての情報を病院がデータ収集し、自院との比較を行い医師にトップが質問する材料を用意するといったことについても考慮する必要があります。

 こうした治療が行なわれていない、こうした治療を行なう患者が多い、といったことについて各診療科別に状況を把握することで、現状のアセスメントをトップが行なえる状況をつくりあげることが事務方の役割となります。

 ここで記載したことを整理すると次のようになります。なお、上記資料・データは医師だけのものではなく、トップも同じ資料を同時に入手することが必要です。同じ俎上に乗せたうえで「事実」に対する双方の考え方を調整することもブリーフィングの目的の一つであるからです。

 その他、当該部門における看護師の情報や、インシデント・アクシデントの情報、クレーム情報、病院からみた意見についての整理も必要です。総合的にみて当該部門をどのように評価していけばよいのかについて情報を収集することで、よりブリーフィングを有効活用することができます。