よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

会計の有用性

先日、中間管理職研修で財務管理と指標管理についてのレクチャーを行いました。以下、内容の一部をご紹介します。


1.損益計算の内容
 組織は、永久に継続することを前提として会計を行います。しかし、一定期間の間に成果を知らしめるという観点から、一年間の会計を行うことを決めてその間の経営成績をみようということになりました。
費用をいくらかけて、いくらの収益を得たのか、結果として利益はいくら出たのかを経営成績といいます。なお、中世では会計期間は一航海一会計期間でした。

2.損益計算からの損益
 損益計算書は、収益と費用を表示し、利益を算出するための帳票です。収益―費用=利益ということですので、収益は何か、費用は何かを家計を基礎としてチェックした表です。各人の家計を考えてみれば、組織の会計とほとんど内容が変わらないことに気が付きます。

 家計では、労働の対価として給与や賞与をもらったり、また資金運用から得られた収益があります。それから食費や教育費、被服費、光熱費、電話代、交際費といったコストが続きます。これらに支出をしたのち、最後にどれだけの損がでたのか、利益がでたのか、そしてキャッシュが溜まったのかについての確認をしている筈です。法人(病院)においても、同じことを毎月行っています。

3.貸借対照表の内容
 貸借対照表とは、貸借が対象的に示されている表です。借方(左側)に資産、そして貸方(右側)に負債と資本を表示します。家計で考えると、借方には現金預金、株式や固定資産、あるいは生命保険などの権利といったものが並びます。その差額がネットの財産です。プラスになっていると財産があり、マイナスであれば財産がないといった言い方をしています。

4.貸借対照表からの損益
 法人もほぼ同じです。できるだけ借入を少なくして事業を行い、資産をもち、財産をどれだけ増やすのかを考えることになります。

 そして簡単にいえば、2期間の財産の差額が利益になります。前期の貸借対照表と今期の貸借対照表を比較してみて、差額がどれだけあるのかをみて、その差額が利益と考えることができます。
 なお、簿記会計においては、損益計算から得られた利益と貸借対照表から計算される利益は自動的に一致しますが、この部分については専門的な話になるので、興味がある人は勉強をしていただければと思います。

 といったシンプルな内容です。医療従事者は部分最適全体最適を目指す必要があります。

 すなわち現場での自部署のミッションを達成することと、そしてその結果が病院全体の求めている成果をあげることが求められています。現場で実践したことが必ず収益の獲得、そして費用の削減に役立っており、結果として利益を出しているかどうかについて常に検討を行わなければなりません。

 自部署の行動はどこを目安とすればよいのか、また成果につながっているのかどうかを確認するものが損益計算書であり、貸借対照表であるということを忘れてはなりません。中間管理者は日々の業務がどのようにこれら財務諸表につながっているのかどうかについて、財務会計管理会計をより深く学習し知識や考え方を習得しておく必要があります。