従業員の定数をどのように決定したらよいのかというご質問をいただきました。
以下は、提出した企画書の内容です。業務内容や仕事量を分析、従業員の能力やリーダーの適否、他部署との関係性を分析し、無駄を排除したうえで人員が過不足を判断し、配置や人員増を行う方法です。以下説明します。
1.組織が持つ傾向
分析的に課題を解決できない組織においては、
- 人が足りないので、期待される業務ができない
- 期待される業務を行うには、時間外が増える
- 時間外を増やさないために、人を増やして欲しい
という主張をする傾向がある。
- 業務改善を実施しているか
- 人が訓練されているか
- リーダーシップが発揮されているか
について検証する必要がある。
2.厳しい環境を乗り越えるために
- 事業継続のために、仕事の仕組み見直しと個人技術技能向上を常に実施し利益を出す必要が
- 一騎当千の人づくりが必要
- 結果として、生産性を向上させ少ない人員で多くの業務がなんなくこなせる仕組みや個人をつくる
- 常に仕事や個人のスキルを継続的に高めていくための管理会計や評価制度が必要
- 業務改善や教育が行われなければならない。
3.情報収集
当該組織の人員配置がうまく行われているかどうかについて客観的に評価するためには、以下を検証
- 果たすべき機能を果たしているか
- 情報聴取(定性、定量)
- 職務基準に合致した業務を実施しているかどうか
- 部門別損益計算による損益が予算範囲にあるか
4.配置人員決定手続き
当該部署にある仕事量により、人員配置を行う。
- 仕事量の把握
- 個人の技術技能把握
- リーダーシップの有無検討
- 自部署業務改善事項の有無検討
- 他部署業務改善事項の有無検討
- 配置人員割り出し
というながれのなかで、配置を検討する必要がある。
5.仕事量の把握
現状業務量分析を行う。
- 課業分析
- 作業分析
- タイムスタディ
6.個人技術技能の把握
- 必要スキルのリスト化
- 従業員スキル評価
- 不足事項の抽出
- 不足事項の習得までの期間設定
- 体制変更予定の検討
- 公休設定による必要人員のシミュレーション
- 現状人員と必要人員との比較データ作成
7.リーダーシップの有無測定
組織では、部下が上司を受容していなければ、リーダーシップは発揮されないし、成果をあげることはない。
- 所属長評価
- モチベーションの醸成余地検討
- 継続的なリーダーシップ発揮による組織改善余地検討
8.自部署業務改善事項の有無
業務フロー見直しにより、以下の改善を見込むことが可能かを調査する
- 仕事の質向上
- 時間短縮(生産性向上)
9.他部署業務改善
当該部署と業務上関係をもつ、他部署の業務フロー見直しにより、他部署による、対象部署への業務支援
10.最適人員配置割り出し
業務フローの見直しや、個人の技術技能の向上により、
- 無駄を排除し、行うべきことを行い、必要十分な業務を実施することができるかどうか
- 結果として、業務の質を向上させられるか、
- また時間を短縮できるか
- そのときの人員は何人が適切か
を検討することで最低配置人員を決定する。なお、将来構想があれば、備えた投資を行うことも斟酌(しんしゃく)すること。
11.整理適正人員配置検討においては、以下のツールが必要となる。
- 職務分掌
- 職務基準
- 各部署からの部署間衝突があるかどうかのアンケート
- 業務改善提案
- 部門別損益計算
- 課業分析
- 個人別課題聴取及び評価
- 内部監査(業務に無駄がないかどうかの判断を行う)
少し面倒くさいようですが、こうした管理を念頭におき、実際における組織片編成を行うことが適当です。なかなか難しい問題ではありますが、人員配置はいつも、またどの組織でも大きな問題になっています。いずれにしても、人員を増やす、配置を考えるときには、仕組みのなかで組織的意思決定ができるよう一定のシステムづくりを行うことが必要です。