よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

コメディカルの配置はこうして行う

 コメディカルの定数をどのように決定したらよいのかというご質問をいただきました。
 以下は、提出した企画書です。

1.組織が持つ傾向
分析的に課題を解決できない組織においては、
(1)人が足りないので、期待される業務ができない
(2)期待される業務を行うには、時間外が増える
(3)時間外を増やさないために、人を増やして欲しい
 という主張をする傾向がある。
(1)業務改善を実施しているか
(2)人が訓練されているか
(3)リーダーシップが発揮されているか
について検証する必要がある。

2.厳しい環境を乗り越えるために
(1)医療は人である
(2)利益を出し、医療継続のために、仕事の仕組み見直しと個人技術技能向上が常に実施される必要がある
(3)一騎当千の人づくりが必要
(4)結果として、生産性を向上させ少ない人員で多くの業務がなんなくこなせる仕組みや個人をつくる
(5)常に仕事や個人のスキルを継続的に高めていくための管理会計や評価制度が必要。
(6)業務改善や教育が行われなければならない。

3.情報収集
当該組織の人員配置がうまく行われているかどうかについて客観的に評価するためには、以下を検証
(1)果たすべき機能を果たしているか
 ①周辺各所からの意見聴取(定性、定量)。
 ②職務基準に合致した業務を実施しているかどうか
 (定性)
(2)部門別損益計算による損益が許容範囲にあるか
 (定量

4.配置人員決定手続き
施設基準がない部署においては、当該部署にある仕事量により、人員配置を行う必要がある。
(1)仕事量の把握
(2)個人の技術技能把握
(3)リーダーシップの有無検討
(4)自部署業務改善事項の有無検討
(5)他部署業務改善事項の有無検討
(6)配置人員割り出し
というながれのなかで、配置を検討する必要がある。

5.仕事量の把握
(1)現状業務量分析
 ①定性分析
 ②定量分析
  Ⓐ課業分析
  Ⓑ作業分析
  Ⓒタイムスタディ
(2)最大稼働状態での業務量分析(仮説立案)
 上記(1)で俎上に乗った根拠×倍率
 
6.個人技術技能の把握
(1)必要スキルのリスト化
(2)所属員スキル評価
(3)不足事項の抽出
(4)不足事項の習得までの期間設定
(6)体制変更予定の検討
(7)公休設定による必要人員のシミュレーション
(8)現状人員と(7)との比較データ作成

7.リーダーシップの有無測定
組織では、部下が上司を受容していなければ、リーダーシップは発揮されないし、成果をあげることはない。
(1)所属長評価
(2)モチベーションの醸成余地検討
(3)継続的なリーダーシップ発揮による組織改善余地検討

8.自部署業務改善事項の有無
業務フロー見直しにより、以下の改善を見込むことが可能かを調査する
(1)医療の質向上
 Ⓐ現状課題解決
 Ⓑ高度情報提供
(2)時間短縮(生産性向上)
 Ⓐ業務廃止
 Ⓑ業務改善
 
9.他部署業務改善
当該部署と業務上関係をもつ、他部署の業務フロー見直しにより、以下の改善を見込むことが可能かを調
査する
 他部署よる、当該部署における
(1)業務量削減
(2)医療の質向上

10.最適人員配置割り出し
業務フローの見直しや、個人の技術技能の向上により、
(1)無駄を排除し、行うべきことを行い、必要十分な業務を実施することができるかどうか
(2)結果として、
  Ⓐ医療の質を向上させられるか
  Ⓑ時間を短縮できるか
(3)そのときの人員は何人が適切か
 を検討することで最低配置人員を決定する。なお、将来構想があれば、備えた投資を行うことも斟酌(しんしゃく)すること。

11.整理適正人員配置検討においては、以下のツールが必要となる。
(1)職務分掌
(2)職務基準
(3)各部署からの部署間コンフリクトアンケート
(4)業務改善提案
(5)部門別損益計算
(6)課業分析
(7)個人別課題聴取及び評価
(8)内部監査(業務に無駄がないかどうかの判断)

 少し面倒くさいようですが、こうした管理を念頭におき、実際における組織片編成を行うことが適当です。なかなか難しい問題ではありますが、人員配置はいつも、またどの病院でも大きな問題になっています。いずれにしても病院として、意思決定ができるよう一定のシステムづくりを行うことが必要です。