よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

無限に生まれる創造性

 四季報の10年後に浮かぶ業界、沈む業界を読みました。

 医療介護は雇用創出をリード。今後も高齢者人口増と歩調を合わせて安定成長が見込まれる。ただ、財政破綻、労働力不足など懸念材料も少なくない…と記載されています。

 円高環境のなか企業が海外に進出し、国内が空洞化するなか、内需拡大が進まず、残った高齢者を護る医療介護が産業として伸びている、しかし、今後10年から30年の間に労働力の中心となる15歳から64歳の人口は1300万人以上減少する見込み、ということです。もちろん、15歳で働くことはないので、これよりも雇用の対象となる減少人口は少ないものの、移民を大々的に認めるなどして、労働力確保、合わせて内需拡大型企業の事業拡大が行われないと大変な状況になります。

 それでも、日本の人口は現在世界10位。

中国1,348
インド1,241
アメリカ合衆国313
インドネシア242
ブラジル197
パキスタン177
ナイジェリア162
バングラデシュ150
ロシア143
日本128

となっているので、まだまだやれると以前書きましたが、国民が健康で豊かな生活を送れる国造りができるよう、これから何をしていけばよいのかを十分に熟考し、国は戦略立案していく必要があります。
 高齢者が多いとしても、まだまだ働ける高齢者がたくさんいるし、また高齢者前の実年層の能力を活かす企業や社会が出現しなければなりません。

 医療や介護のみならず、多くの業界、産業は国内のみならず海外をも視野に入れたうえで、日本の優れた技術を広く社会に喧伝していく必要があります。必要なことは行動力。仕事の質をあげるために何をしていけばよいのかについて懸命に考え行動することがすべての解であると思います。

 誰も人がやっていないこと、不便であること、もっとよくなることを発見し、斬新な方法でそれらを実現することこそ、日本がながく行ってきたことだと考えています。ただ、やはり柔軟にさらに創造的になることが求められていることは明らかで、従来の延長線上にない発想が必要であるのかもしれません。

 無限の創造性を得る必要があります。

 病院で業務改革を行うことは必須ですが、業務改善といった現場の小さな改革を多数積み上げていくことも創造性の発揮につながることは明らかです。業務改善提案制度の導入は、結果をもとめるだけではなく、個々人一人ひとりの創造性を喚起し、あるいはそのための訓練を行い、自らが新しい自分を作り出すことに大きく貢献します。

 病院マネジメントの基本は、個々人の力の発揮と組織力強化にあります。形式にとらわれず、職員すべてがわくわくしながら新しいことを実践する毎日を院内でつくりあげていけるよう管理者は組織に働きかけ個人の育成を行う必要があります。

 水を飲みたくない馬に無理やり水を飲ませようとするのではなく、自ら進んで水を飲みたいと思う者が多い環境をどのようにつくりあげていくのか、腐心しなければなりません。経営幹部の斬新な発想と、職員が自然に動機づけられる環境づくりを怠ることはできません。

 2015年は消費税10%の決定、そして、2016年から17年は経常収支が赤字、という状況が予想されていますが、それまでに多くの課題を解決しておく必要があります。もう残された日数が十分にあるわけではありません。あと3年から5年。まさに中期経営計画と長期経営計画の世界です。戦略の再立案とスケジュールの再作成、そしてそれらに基づいた行動をとれるよう、勢いをつけて皆で活動しなければなりません。

 多くの改革が行われる必要があります。
 医療においては、実患者数の増加と単価アップ、そしてコスト低減が戦略の中心に置かれる必要があり、介護においては、医療連携のみならず医療への近接及び訪問看護等への進出、多様な介護業態への展開が大きなながれになると思います。