坂本さんは、住商の常務を退任され、孫さんの事業立ち上げに関与されたあとマレーシアがもっとも住みやすい国であると理解し、マレーシアに移住されました。世界50カ国以上を仕事の場とされ調査をしたうえでの帰結だそうです。
マレーシアに、日本人が1万人近くいらしゃるなかで日本人会は6000人(すごいですね)。そのなかで、坂本さんご夫婦は、日本人がどうしたらロングステイ楽しめるのか、安全に過ごせるのかについてボランティアで多くの日本人支援をしてきました。
毎週日曜日に開催されるゴルフ場でのロイヤル会には多いときには100名の日本人が参加します。昨日は我々も参加させていただきましたが、全体で30名と少しの参加でした。
日本人会館でのさまざまな教室を含め、こちらのリタイアした日本人、していない日本人(現役でマレーシア勤務)は本当に楽しく暮らせることが判りました。マレーシアの政治、経済、文化、何が行われようとしているのかを政府とつながりをもつ坂本さんからお聞きして、今回のstudyのまとめとすることができたのは幸運でした。
病院や施設をいくつか廻り、医療介護についてのニーズは高く、しかし日本と同様医師会の意見があり日本人の医師や看護師に門戸が閉ざされている事実も確認できました。
こちらの日本人医師は江頭先生だけだし、看護師さんも先生の元で働く鈴木さんだけです(当時)。
なかなか広げていくのは難しそうで、看護師さんもたくさんいらっしゃいますが、皆アドミか通訳として働いています。ただ、介護についてはまったく手が付いておらず、坂本さんは日本人のために介護施設をつくろうといま活動していますが、他には類似のものがありません。
国として、介護事業自体の設計ができていないことが原因です。何しろ、65歳以上が5%しかいない国です。日本の昭和33年の高齢者人口と同様ですが、そのときの日本の人口は8000万人、それから日本は大きく成長したわけですが、ちょうどそのときにマレーシアがいるとするとなかな介護事業はまだ時期尚早であり、事業化が難しいのかとも思います。
メイドさんや看護師さんが各戸に雇用されるなかでは、益々導入が困難であるかもしれませんし、そもそも高齢者に医療費をかけない国柄であり、平均寿命も日本よりは若干低い国というのも、何か理由があるのかもしれません。
いずれにしても、医療介護の事業展開をどのように行うのか、少なくともリタイアメントした日本人のためにも介護事業を展開していく必要はあります。
さらに、日本人を顧客の軸として多くのマレーシアの国民をターゲットとした事業を行う一般企業のマレーシア進出も含め、今後どのように彼らをサポートしていくのかについて、これから考えていきたいと思います。