よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

経営方針の大切さ

 もうすぐ今年も終わります。先ほどまで病院の理事長と来年の経営方針についてミーティングしていました。経営方針はとても大切です。病院の戦略や事業内容を直接示すからです。3年の中期経営計画にて大きなながれをつくるとともに、当年度の方針として年度経営方針を提示します。
 
 経営方針があることにより、目標が明確になり、個々人の役割や行うべき活動も確実になります。これがなければただ、毎日ルーチンを進めるだけの日々となります。
 
 もちろん、医療においては行うべきことを確実に、日々しっかりと行うことが必要です。個々の処置や手技時代に間違いがあれば、治療を継続することができません。安全にかつ信頼される医療を行うためには、個々人の職員の的確な行動が求められるます。医師をはじめとした、あらゆる職種の職員が、それぞれの役割を果たすための仕組みや個人の研鑽が常に求められ、またそれぞれの機能の連携が的確に行われることが期待されています。
 
 しかし、経営方針や具体的な目標があることで、そうした日々の活動に柱が確立され、あるときにはより高い機能を求めた仕組みづくりや、システム導入、制度にのっとった活動が行われることで、より高い質の医療をつくりあげていくことが可能です。建物においても、設備においても機能を高め、また患者さんに対して治療を受けやすい環境をつくることもこの範疇に含まれます。
 
 ルーチンを支える仕組みや個人の技術技能向上への取組みが、合目的的に実施されることこそが日々の活動を的確に、またより高いレンジで仕事をしていくために必要なことであると、いうことができます。
 
 多くの医師や職員との面談において、将来の方向を明確にしてほしい、ヴィジョンを明確にしてほしいという意見が多くでます。縁があって勤務している病院のアクティビティが高まるということは自分の活躍する機会が増加するということでもあり、やはり常に先をみて、「何か」に挑戦する組織を各人が求めていることがわかります。
 
 制度を俯瞰し、また日本の医療の在り方を議論し、自院のマーケットをみたうえで、また、自院の経営資源を斟酌したうえで、中期経営計画の立案を行い、年度の経営方針を提示し、目標化し、目標管理制度により各部門や個人に落とし込んでいく作業を病院は怠ることができません。とりわけ職員一人ひとりに光をあてた評価制度や教育制度整備が求められています。
 
 結局は知的労働集約的産業である医療において、力を発揮するのは各職員であるし、彼らを活かす仕組みであるからです。いずれにしても、1月に開示される経営方針発表が病院のそして地域医療の変革をもたらすことを強く期待しています(注)。
 
(注)経営方針は予算化され、目標化されます。3月決算の病院においては、具体的な部門目標は3月までに確立され、4月からの活動に織り込まれることが通常です。