よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

どうすればDPC病院の利益がでるのか=患者別疾病別原価計算を通じて

 今日は少し難しいかもしれませんが、DPC病院にとってはとても重要なことなので少し触れてみます。

 患者別疾病別原価計算を6年以上行っている病院があります。すでにすべての患者の日々の利益が計算できます。病院全体の一定期間の患者の損益をみると、この病院では患者数でいえば40%以上の患者が赤字で退院しています。金額ベースでいっても近い数字で退院していることが判ります。
 結局、営業利益ベースにおけるすべての損益を個人個人に割り振りますから、黒字の患者さんと赤字の患者さんの差が病院の営業利益になるというイメージです。

 こうしてみると、そもそも国の点数の決め方から赤字がでてしますという疾患がみえてきますし、当然ですが、原価の大きさにより赤字がでるでないが決定されることが判ります。この病院は2年前に建て替えをしていますが、建て替え前とでは間接費の配賦に4000円以上の原価の相違があることが判ります。

 固定費を外して限界利益でみるということも可能ですが、ここでは常に全部原価で計算をしています。
したがって、病棟別にみて間接費の配賦額が異なりますし、また稼働率が高いときと低いときでは、当然稼働率が低いときのほうが、一人当たり患者の配賦額が増加し、一人当たりの利益が削減されます。

 ここで、ざっとですが、DPC病院で患者別疾病別原価計算で赤字になる傾向が高い要因を説明します。
 1.手術時に時間がかかる
 2.手術時に多くの医師看護師が関与する
 3.在院日数がⅡ期間を超える
 4.転棟時期が遅れる
 5.リオペがある
 6.感染が起こる
 7.アクシデントレベル2Ⅱ期間を超える
 8.アクシデントレベル3b以上でコストが発生する
 9.パス外処方をする
10.他科受診、他病院受診がある
11.入院した病棟稼働率が低い
12.救急入院が多い
13.出来高が少ない

 ただし、患者別利益は、患者数や出来高領域に大きく影響されることがわかります。結局のところ、増患、出来高アップ、生産性向上を行うことが利益を出すポイントであるという結論であり、これらに関する実施事項を列挙し、徹底的に管理することがDPC病院が利益を出すポイントであるということが結論です。

 詳細にはかなり多くの着眼がありますが、またの機会に提示することにします。