よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療マネジメントの領域はとても広い

 各部署毎にミッションや、達成のための業務フローがあります。それらを上手く使えるチームや個人がいて、各部署が相互に繋がりながら診断や治療が行われます。全段階に患者さんやご家族の事情が絡みます。そして医療制度が全体に影響し、コスト管理が重なります。医療マネジメントの領域は多様です。
 
 病院でさまざまなプロジェクトを行っていると、上記のながれを意識します。  いつも以下の問題にぶつかります。
 
 1.各部署のミッションが不明瞭
 2.業務フローが確立されていない
 3.ルールやマニュアルが整備されていない
 4.ルールやマニュアル通りに運営されていない
 5.パスがない、あるいはうまく機能していない
 6.うまく機能していない委員会がある
 7.評価制度が整備されていない
 8.教育がうまく行われていない
 9.有資格者がなかなか充足されない
10.上司と部下の関係がうまくいっていない
11.各部署間に衝突がある●
12.衝突(コンフリクト)が解決されていない●
13.正しい診断が行われていないことがある
14.治療が正しく行われていないことがある
15.ご家族とのコミュニケーションがとれていない
16.ムンテラがうまくできていない
17.インフォームドコンセントがうまくできていない
18.退院支援ができていない
19.地域連携がうまくいっていない
20.医療制度をうまく使えていない
21.業務改善ができていない
22.モニタリングができておらず、数値が管理されていない
23.コスト削減ができていない
24.プロモーションができていない
 
 これはどちらかというと大項目です。これらの下にさらに枝はが無数にあり、さまざまな対応が行われなければなりません。現場では常にしたがって、何十通り、何百通りの出来事があり、それらに対する手当が常に行われることになります。もちろん、一定程度の改革が進捗することにより、少しずつ課題は減少していきますが、それでも時間が経過すれば人も変わり、同じことが繰り返される傾向にある項目もあります。
 
 いずれにしても、病院統治を行い→HRMを徹底する→医療ツールを整備し→モニタリングを行う→結果を以て、
常に改革が行われている組織を、医療機関、とりわけ病院は志向しなければならないと考えています。
 
 なお、上記でもっとも重要なテーマの一つは、黒丸のついた部分です。