よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

マニュアル作成と運用の大切さ

 マニュアルは、単なる手順書ではなく、ノウハウ書であると、随分以前から説明をしてきました。その作成と改定は、暗黙知形式知、個人地を組織知として整理し、それらを活用して常にナレッジを高めていく手法であることは、多くの組織に周知されています。
 
 しかし、具体的に
 1.業務の棚卸
 2.手順化
 3.ノウハウの整理
 4.他の必要事項の記載
 を行うことでマニュアルを作成したのち、それらを熟読し、
 5.現状のフローにおいて問題点を発見する
 6.改善策を検討する
 7.それらを検証しあるべきかたちを決定する
 8.マニュアルに記載する
 9.それらを教育に使う
10.活用における課題を発見する
11.課題を解決するための修正を行う
12.マニュアルを改訂する
によって、マニュアルを活かす組織はあまり多くはないのではないかと思います。
 
 確かに、いちいち、こうしたものを作成せず、職員全員が同じレベルで会話を行うことができ、スキルをもって、さらに
そのうえで、相互に研鑽し新たなノウハウを個々人が均等に収集することができる環境にあるのであれば、マニュアルを媒介としてナレッジマネジメントを展開することの必要性はないのかもしれません。
 
 皆が感性豊かに、行動し、思考し、新しいことを常に開発し、間違いを是正し、創造することができるのであれば、道具を使う必要はまったくありません。マニュアルだけではなく、パスもリスクマネジメントも、他の目的で使われる道具を活用する理由はどこにも見当たらないと考えることが相当です。
 
 しかし、既にお分かりのように、そのようなスタッフを用意することは無理だし、たとえ優れた者が存在したとしても、上記のようなながれをつくることは通常は困難です。
 
 そこでマニュアルが役に立ちます。はじめはマニュアルを基礎として工夫や創造が行われることが多くあったとしても、いずれ個人の力が醸成されて、マニュアルを凌駕した仕事ができるようになることは間違いがありません。創造活動があり、結果としてさらに新しい仕事がつくられ、工夫され、付加価値をもった業務を行うことができるようになります。はじめは煩雑なように見えて、個人や組織における問題解決が随時行われ、組織力が増幅されることになると考えることが相当です。
 
 ルールをつくり、遵守するということは確かに煩わしいし、無駄のように見えます、しかし、そのプロセス、あるいは帰結において、訓練された個人がつくられ、より高い生産性を生み出すことが連続的に行われれば、当初の作業は徐々にそのコストを低減させ、高い投資能力を持っていたことが確認されることになるのだと確信をもっていうことができます。