よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

さまざまなリーダーの存在

 一定の課題を提供すれば、驚くほど力を発揮するスタッフがたくさんいます。それが病院です。いままで多くの病院のなかで、スタッフと一緒に仕組みをつくりあげてきた経験からして、阻害要因さえなければ、多くのスタッフは前向きで、積極的に何かを変えていこうとしていることがわかります。病院として阻害要因をどのように排除していくのかについて真剣に考えているかどうかが、ポイントです。
 
 多くの場合、阻害要因を知りもせず、知っていても排除できない、排除したくもないといったことが見受けられます。リーダーが現場に出ればでるほど、こうしたことは排除されることが通常です。
 
 もちろん、リーダー自体が、現場のやる気をそぐ、やる気をださせることの阻害要因になっていることがよくあり、その場合にはその程度により、当初は現場の頑張りがあったとしても、早晩その頑張りを凌駕する失望が蔓延し、病院の成果があがらなくなることがあります。
 マイナスを発生させるリーダーであったとしても、マイナス<プラスであるうちは、頑張る職員がいれば、病院は成長しつづけていきますが、逆になったときには、取り返しのつかなくなることを言っています。
 その場合には、リーダーが変化(=行動や姿勢)しないかぎり、病院をながく継続させることはできません(ある病院では事務長がそうした状況のなか立ち上がり、権限を委譲してもらったうえで病院改革に成功した事例があります)。
 
 ただ、職員自体が不幸なことに、どうしてもモチベートされないということもあり、またそうした属性をもっていない職員を雇用してしまうこともあり、リーダーの問題だけではないこともよくあります。
 どうしてそのようになってしまったのかについて後発的なもの、つまり入職時はそうしたことがなかったのに、入職してからソウナッタトいう場合には、まだそのトラウマを排除することで、よい方向に変化できることもありますが、入職時からそうである、もっといえば、そうしたメンタリティをもっていない職員であると、その変化を求めつことはとても難しくなります。
 
 しかし、そうした場合でも尊敬できるリーダーさえいれば組織全体の活力が増し、いずれは彼らも改心することがあると私は信じています。
 
 いずれにしても、リーダーがどのような思想をもち、どのような行動をしていくのかにより組織は影響を受け、スタッフは大きくその行動を変容させる可能性が高いということができます。
 
 当たり前のことではありますが、また至極当然のことではあると思いますが、重要性が高い事項であると思いとりあげてみました。リーダーとなる方々の奮起を望んでいます。