よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リーダー育成の方法

 まず、中間管理職のリーダーの育成には、全般的な対応と、階層別の対応が必要です。全般的な対応は、病院の活度をあげること。すなわち、ヴィジョナリーなテーマを提示し、戦略化させ期日までに何かを達成しなければならないという達成目標や切迫感をもたせるなどして、病院全体を盛り上げることにより各部署のリーダーが動かざるを得ない状況をつくることが求められます。
 
 そして、階層別の対応ですが、マネジメントの講座※を数多くつくり徹底的に教え込むことや、その応用事例を実務でチェックするなど、理論と実践から教育を徹底することが必要です。
 
 なお、前提としてはリーダーの役割を明確にした、職務分掌や権限規程を作成しておくこと、職能等級制度を導入し、等級別の職務基準を作成し、この等級にはこの能力がなければならないという形をつくることも大切です。
 
 いずれにしても、最終的には組織そのものが前に向かい進化していくプロセスにないとリーダーは育成されないし、リーダーシップを発揮できる環境には置かれないと思います。
 
 上記を行わず、リーダーが育たないといっても仕方がないのではないでしょうか。取組をしたうえで、どうかということになると思います。なお、トップマネジメントに問題があるときには、あるべき形の提示と説得が必要となりますが、なかなか難しいところです。
 
 組織の盛衰は、結局はトップマネジメントの力量により決定されるものだと思います。トップマネジメントが前向きであれば、我々もやりようがありますし、組織も変わりようがあると思います。
 
※現状私たちが実施しているテーマは例えば次のものです。
病院マネジメントシステム及び4つの領域、部署間コンフリクト、リーダーシップ、タイムマネジメントナレッジマネジメント、教育の3つの柱、職務基準の作成方法、権限行使の4つの形態、5つの経営資源、業務改善、マネジドケア、財務会計管理会計、部門別損益計算、特殊原価調査、人間として医療人としてどうあるべきか。