よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

クリティカルパスの使命を再度確認しよう

コスト削減をも意識しながら開発されたクリティカルパスは、治療の工程表ですが、どちらかというと、標準化やチーム医療、もっとリアルに言えば医師の指示書、少なくとも入院診療計画書、業態によれば地域連携情報提供の役割を果たします。

しかし、究極的には業務改革ツールとしての機能をもつものです。

先ずは、カルテやレセから現状の診療内容がどのようになっているのかを、カテゴリー別に整理し可視化する。これを一次パスといいます。


この段階で他のパスを見たり、ガイドラインや論文をたどり、自院の治療が適切かどうかを再度検証(EBM=エビデンストベイシスメディシン)する医師もいます。

そして次に、在院日数を?期間に合わせるるためには何を変えれば良いのかを検討しパスを改訂する。これが二次パスになります。

パスは、日常の検査や入院に使われますが、定めた日数で退院できない場合には、標準からの逸脱として、バリアンスが測定されます。

正と負のバリアンスが4つの原因により分析され、業務の改善が行われます。因みに正は、期日より早く退院したこと、負は期日に退院出来なかったことを示しています。

システム要因、医療従事者要因、患者要因、社会的要因です。これらは更に分析され、詳細な改善に役立つよう活用されます。

通常の日数バリアンスの場合には入院パスを大半とします。なお、熱発などによるパス外の対応を行った場合の変動も、その経緯や経過を知るためにバリアンスとしたほうがよいと考えます。

さらに、アウトカムのバリアンスの管理も必要になります。そもそも、毎日のアウトカムがかかれていないパスが散見されますが、ナンセンスです。アウトカム自体が定量、定性的に管理されることで、反芻があり次の改善に繋がります。

そして、在院日数短縮が継続し、2025年に基本的に9日になることが規定されているなか、業務改善を通じた在院日数短縮のための三次パスが作成され続けることになります。

いずれにしても、高齢者が激増していくなかで、医療の質に起因する退院阻害要因への対応だけではなく、増患体制、稼働率管理、医師と看護師の連係、退院支援、地域連携など医療の質以外の病院政策に影響されない治療の工程管理ができるよう、業務改善を行いつづけていく必要があります。

パスにまつわる事項は奥深く、ここですべてを語り尽くせるものではありませんが、何のためにいま、医療をしていくのかを受容すれば、自ずと何をしなければならないかが解ります。