よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

楽しく、しかしストイックに

 私は、人間が大好きです。初めは嫌な気持ちになることもありますが、すぐに思い直します。
 良いところを見ます。
 
 病院でも、好き嫌いで衝突(コンフリクト)があり、仕事がうまく進まないことがあります。
 仕組みの問題や、個人の属性に起因することが多いようです。医療の中に身をおいているために、確かにストレスがあるでしょう。
 
 医療においては、我々外部のものには図り知れない大変さがあるのはよくわかります。地域に貢献していただき本当にありがたい。

しかし、個人の属性によるコンフリクトは、なんとか解決して欲しいと思っています。お互いに思いやる。相手の立場にたつ。好きになる。いろいろ方法があると思います。
 
 そもそも、組織には自己利益優先、セクショナリズムという癖があります。やはり、部署長は自分の部署が大切であり、当該部署の利益になることや所属員のメリットになることを進めようとしますし、できるだけ自部署を
守ろうとします。
 
 部署間コンフリクトはそうした部署の特性からうまれるものが基本です。しかし、前述したように部署に関わらず、この人とこと人が合わないということから、仕事が円滑に進まないということもあります。これか個人の属性によるコンフリクトです。もちろん、部署内にもそうした状況は生まれます。これは仕組みの問題よりも好き嫌いです。
 
 そして先ほどの話です。部署間で話し合い、仕組みをつくる、すなわちルールを決めたり規則をつくるといったこと、そして個人間の軋轢を解消するために、現場だけで解決しようとするのではなく、部署をまとめる部門長がでていくことがポイントです。
 
 事務部のある部署と看護部が対峙している場面には事務部長と看護部長だし、放射線科と看護部であれば、診療支援部長と看護部長、そして病棟の医師と看護部であれば、診療部長と看護部長といった具合です。

まだ組み合わせは多数ありますが、少なくとも部門長が現場に介入し問題解決を率先して陳勅させる。
 現場の問題を現場で解決できることは少ないといわれています。仕組みと個人の属性が絡み合い、なかなか糸がほぐれないままに時間が経過することになります。
 
 根本的には相互に一歩下がって考える。医療従事者の本来の精神性にも意識を向けていく対応を行うことが必要です。

そのうえで、上長が介入し問題解決のための活動や指示を出すといったことの繰り返しを行う必要がある分野だと思います。
 
 人を許す、許されるということはとても楽しく、また前向きに仕事をすることができる条件となります。勿論自分自身に問題があれば、他のせいにせず、真摯に反省をしていかなければなりません。

個人の属性に起因する部署間や個人間のコンフリクトがなくなり、仕事が円滑にながれるようになれば、成果もあがり、やりがいも生まれまず。
 
 もちろん、仕事ですから「なあなあの関係」はつくれません。ミッションや自らの役割(指名)を果たすために、楽しく仕事をしなければなりませんが、それは厳しくないということではありません。
 
 財政や医療の先行きが怪しくなってきた現状において、私たちに残された時間はあまりありません。掲げたヴィジョンを達成するために、組織一丸となって活動し、目標を達成し結果を出す。
 そんなながれをつくりだす必要があるのです。
 
 楽しく、しかしストイックに仕事をしていくことが大切です。必ず成果をあげることができると考えています。
 
 
 
 
 
 
 
 
(続く)。