よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

期待されるリーダー

 

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今日も病院におじゃましています。朝から事業計画や経営方針発表会の資料を皆でチェックして一応のとりまとめができました。
 
 この病院は、とても強いリーダーシップにより、全国でも有数の実績を残す病院となっていますが、当該資料は、さらに詳細な方針を理事長、院長、経営企画が発表し、さらに各部署が年間活動計画を発表するための資料の一部となります。
 この病院は、過去10年以上前から経営方針発表→目標管理制度→業績評価→教育と処遇といったながれをつくり、高い成果をあげてきています。
 
 いくつものよい病院の適切なガバナンスと、尊敬されるリーダーにより発揮される強力なリーダーシップによるいくつもの成果を目の当たりにし、地域や業態、そして辿ってきた沿革や資源によりばらつきはあるものの、どうすれば職員がやる気になるのか、成果があがるのかのロジックを理解できた気がします。
 
 昨日、ある市立病院の病院管理者であるB先生とお話をさせていただきましたが、『病院は質の高いスタッフがいる。しかし、彼らに対してリーダーシップを発揮できないため、彼らを活かすことができない』『しかし、正しい対応をすれば必ず成果があがる。マネジメントはとても面白い』と話されていました。
 
 高い実績を残してきた人格者でもあるB先生のお話はとても納得できるものでしたし、我々が以前から主張している、病院の活性化に最も不足しているのはリーダーシップであるという、当たり前ではありますが、なかなか認識されない事実を追認していただけた時間でした。
 
 そうはいっても、リーダーシップを発揮する前提があり、また、仕組みがあってはじめて成果に通ずるものもあり、当然一筋縄ではいかないのが病院運営です。
 マネジメントのロジックを知り、良心をもち、手順を間違えず、そして何よりも、職員全員を思い、彼らの力を必ず引き出していくという強い意思をもち、果敢に挑戦し続けて行くことが求められています。
 価値観の異なる職員一人ひとりがやる気になるために何が必要なのか、病院として、あるいは自分は何を支援していけばよいのかについて、常に考え行動するリーダーの出現が期待されています。