よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

戦略の明確化ということ

 「戦略の明確化」には、それをアクションプランにまで落とし込み、実行できる体制にしたてあげていくところまで含まれていなければなりません。
 
 もちろん、戦略を戦術化し、より詳細な分野に区分したのち、行動計画に落とすということが一般的です。いずれにしても、思いだけでも、概念だけでもなく、計画を立案するだけでもなく、その計画をどのように達成していくのかといったアクションプランが立案されるところまでレベルを高めていかなければ「明確化」という言い方をできないと考えています。
 
 多くの病院で、方針が出されてからアクションプランにまで昇華されることがとても少ないように感じます。アクションプランは、5W2Hの条件を満たしている必要があり、かなり具体的な計画に落とし込まれなければ、価値を認められないものであると認識する必要があります。
 
 なぜ、どこで、といったことは既知として、少なくとも、何を、誰が、どのようにして、いつまでに行うのか。その予算はいくらなのかという5つについては、明かにして行動していかなければなりません。当たり前のことだと思いますが、なかなかこれができていない、曖昧なものがあり、途中で修正をしたり、フェイドアウトしたりする計画が多いのではないかと考えています。
 
 病院戦略は、増患、単価アップ、生産性向上という大きなメルクマールのなかで詳細な個々の計画に落とし込み行動していくところまでを戦略の明確化ということを、トップマネジメントは理解しておく必要があります。
 
 当該計画遂行を担う人材、リーダーシップを発揮する人間を日常から育成しておくのか、外部から採用するのか。あるいは現場から才能のある者を登用するのか。毎日、ターゲットに全精力をかけてまい進できる者を中心におき活動を進めていく必要があります。