よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

組織活力の源泉は、満足を求め覚醒した個人である

 人生は短い。ながいようで短いと思います。最期のときにならない実感できないことだとは思いますが、若いときには感じられなかったことが、年齢を重ねることによりリアリティをもって感じることができるようになってきたし、今日より明日、明日より来月、来年となれば、その実感はより鮮明になってくるのだと容易に想像できます。
 
 人生をどのように過ごすのかは個人の自由ですし、価値観に依存します。
 
人生のプロセスにおいてさまざまな事象があり、環境が変わり、他からの影響を受け、そのつど価値観は変化するし、アクティビティも変化するのだと思います。
 
 あきらめかけたり頑張ったり、挫折したり成功したり、また失敗したり這い登ってきたり…。その繰り返しのなかで、思いを変え、価値観を変え、何をして、どのように生きるのかを決めながら人は時間を紡いでいきます。
 
 仕事においても社会にでてからずっと同じ仕事をする人もいるし、違う仕事をする人もいる。いくつかを転々としたしながらその力をつける人もいるし、そうではない人もいる。これもすべて自分が最終的には決めてきたこと。何がよいのか、すごいのか、よくなかったのかどうかも自分でしか判らない。他人からとやかくいわれることでもありません。
 
 大切なことはその都度、自分の思いをしっかりともち、信念をもって人生を生き抜いてきたかどうかということ。その都度、満足できたのかどうかという問いに対して、YESといえることが大切だと思います。満足できたことを成功したことと私は考えます。
 
 もちろん、自己満足といったものではなく、ちいさなことでもいい何かをやりきったことより、何等かの成果をあげて、満足できる、ということがあれば、それは素敵なことだと思います。
 
 成果をあげられない満足はないのではないか。悔いないよう頑張ったけれども、ゴールにたどり着けかった、ということはあるかもしれませんが、そこには必ず自分の成長はある。
 成長のない頑張りはありえない。
 
 何等かの活動を懸命に、そして必死に行えば、信念が強くなり、その事項に対する知識や技術技術は高まるし、謙虚になれる。もちろん、プロセスで多くの人に接することも、そして教えを乞うことや、勇気をもらうこと、助けたり助けられたりすることが必ずあるはずです。
 
 自分のやりたいことを設定し、思いを強く、信念を強く、学習を怠らず行動する。信頼される自分をつくりながら、他人と接し、影響を受けたり与えたりしながら行動することで必ず成長できる。
 
 いま、医療(そして介護)の世界はとても大変な時期を迎えています。多くの医療人が糾合し、それぞれの地域で、しっかりと地域住民を護っていかなければなりません。医療の役割の一つに地域をまもり、健康で豊かな生活を送れる地域住民の支援をしていくことがあるとすれば、それは各地域の医療人が懸命に達成していかなければならないことだと考えています。
 
 厚労省の政策や地域の経済状況も大きく医療制度に影響し、それで枠組みがきまってしまいます。したがって、それらを所与として、限定的な資源のなかで、最大限何をしていくのかということを常に考え、工夫し創造し時代を乗り越えていくことが求められています。
 
 個人の価値観はさまざまですし、生き方もさまざまです。しかし、医療の場に身を置いた者は、そしてこれからも置こうとしている者は、どこかにそうした思いをもって、自己研鑽を続けていかなければなりません。
 
 多くの医療人はそうした生き方を既にしています。しかし、それは自分にとって本当に満足できるものであるのかどうか。できることは限られているかもしれないけれども、目標を決め、一つ一つクリヤーしながら、成果をあげていくことを怠らないことが大切です。
 
 強い思いをもち、限られた人生を懸命に生きていくことができる職員が数多く存在する組織は強い。活力のある組織だと思います。
 
 私たちが訪問する大半の病院には、私たちと一緒に方向を決め、覚醒したうえで目標をもち、役割を受容し、自らの満足を得るために成長を始める職員が数多くいます。組織活力の源泉は、まさに現場で頑張る、意識をもった自分の人生の在り方を知っている職員の方々であるということを私は知っています。
 
 組織活力の源泉を枯渇させないよう、また、彼らの行動を阻害することのないよう、さらにはより多くの職員が実質的な組織活力の源泉となることができるよう、病院幹部は、しっかりと行動していかなければなりません。
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