よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

やらなければならないことを前向きに

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自分が何をしたいのかわからない、という人はいないと思います。何が好きなのか、何な興味があるのかを胸に手を当てて考えればすぐに答えを出すことができます。

明確でも曖昧でも、漠然としてでも、何かがそこにあるのではないかと思います。

もし、ないのであれば、早急にそれを探していかなければなりません。場合によれば、やりたいことそのものだけではなく、自分の精神や情熱、それを生めない自分自身にまで言及しなければならないこともあります。

さて、やらなければならないことには、好きか嫌いか興味の有無にかかわらず、やらなければならないことをいいます。ひとつは他からの要請に基づいて、もうひとつは見るに見かねて、ということがあります。

もちろん、やりたいことの思いが強く、これは私の使命だと、やらなければならないことにまで昇華させていくことがあります。これは力が出るし成果もあがる。しかし、仕事でそうした思いをもち、善の意識で生きている人は意外と少ないかもしれません。

そうであっても、なくても社会人は前二者からまったく逃れることはできません。他からの要請に基づいて、見るに見かねての2つです。
 
私たちは一人で生きているのではありません。何等かの社会や地域、組織に属して活きています。本来、興味がないことであっても、嫌なことであっても、誰かのために何かをしなければならないことがあるのです。自分たちの心のなかに、やらなければならないことのうち、この2つのものがあるのだということを理解し、それに対しても一定の時間を割くことが、生きていくための約束ごとなのだと思います。
 
自分のためだけに何かをするのではなく、他者のために何かをすることが本来もってうまれた人としての役割などだと考えています。
 
そのことをしていくなかで、相手のことを思い、考え、組織のことを思い、考え、そして徐々に相手の立場に立ってものごとを考えることができるようになります。いきなり大きな心をもって、何かをしていくということよりも、やらければならないことは一体何かということを考え、そしてそれに取り掛かる。
そのなかで、徐々にさまざまなことに触れ、積極的にそれを受け入れ、多角度的な視野をもって、取組をはじめていく。その成果があれば、患者されるし、自信もつきます。そこで多くのことを得るでしょう。
 
以上は当たり前のことのようではありますが、私も含め、なかなか納得して何かをするということに慣れていない人も多いのだと最近思います。なんでもかんでも首を突っ込むということは時間のないなか、馴染めないし、ある部分、緊急性や重要性による優先順位に基づいて取捨選択をすることはいたしかたないでしょう。しかし、他の何か、やらなければならないことについても、受け入れ態勢を少しつくっておけば、学ぶこともたくさんあるし、自他ともに役に立つことができるという結論です。
 
やりたいことをできる自分をつくることや、使命に燃えてやらなければならないことを徹底してやる。しかし、他からの要請に基づいて、見るに見かねてする「やらなければならないこと」があるのだというこを懐にして、限りある時間を有効に活用しつつ、少なくとも自分が生きた証跡を自分のなかに残していくことが必要です。
 
自分の利害だけではなく、医療や介護の現場においても、他の事業においても、プライベートにおいても、こうした考え方をもって、行動できる自分が理想であり、そうなりたいと渇望しています。