よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

ベトナム医療事情(1)

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ベトナムホーチミンシティのトゥヅゥ病院の医師で滋賀大学医学部に留学経験のある小児科医ニー先生です。
 
ベトナムは国民の平均年齢が27.4歳であり、35歳以下の国民が70%というとても若い国です。この病院は、年間5万人の出産があり、したがって、小児科も受診が多く、ニー先生だけで、一日に100人から150人の小児リハの患者さんを診察しているそうです。この病院は野戦病院のようになっていて、外来も外にありますし、薬局も外にあります。


日本では想像できない周産期や小児の状況を考えると現状の人口は9000万人ですが、1億人を超えるのは2020年初頭と考えられています。
 
今回、ご一緒したベトナムに何回も訪問し医療関係者とミーティングをしてきた医療法人明正会近藤理事長は、日本の得意な内視鏡を現場でできればと考えていましたが、数年ぶりにこちらに来てみて、やはり必要なのは産婦人科と小児科だろとという結論になりました。
 
ホーチミンでは、富裕層は少し何かあるとシンガポールや外資系病院のフランスベトナム病院に行くそうで、ここでも貧富の差がでているようですが、我々の目からすると、日本のようにはいかないまでもそこそこミニマムの設備のなかで医療が行われており、しばらくすると日本の医療も追いつかれるのでhないかと考えています。
 
しかし、現在では医療設備が不足していて、このあとお会いした小児科専門病院であるニドー病院の副院長からは、医療施設をぜひつくりベトナム人医師の雇用を図ってほしい。日本人医師は報酬も高いし、ベトナムは医科大学が10施設あるので、日本人の医師は指導するといったかたちで参加して欲しいという話をしていました。
 
医師の給料も20~30万円(それでも一般の人の10倍)という月額報酬では、日本の医師がボランティア以外でながく働くことは困難ではあると思います。中国では日本よりも高額な破格の報酬で日本の医師をとっている病院もでてきていますが、ベトナムではそこまでは無理ではないかと思います。
 
ベトナムのなかで現地化し、彼らに貢献することで日本の医療のよさを伝えていくというながれをつくりあげていくことが必要です。既に、ある日本のファンドは現地の病院と組んで新病院建設や日本とのコラボレーションを開始していますが、独資で医療法人を出そうとすると既に国から許可されない(時間をかける)ということになっていると、先発の診療所の日本医師からお話をお伺いしました。
 
現地化と現地に資する医療施設を現地の病院と組んでつくりあげること、それがこれからの日本の役割ではないか。経産省がアウトバウンドの戦略として医療をその一つとして捉え、活動をしています。
 
我々は、7月中に企画を提出し、8月から事業モデルの検討に入る予定になっていますが、ここで説明した考え方だけは忘れず、まずは複数の日本人医師tとの連携のうえで、日本らしい医療が提供できる小さな小児科や産婦人科の施設を提案できればよいと考えています。